集会活動をする時、子ども一人一人のやりたい事が異なっていて、どれか1つに絞るのが難しいことがあります。
そうですね。
そんな時は、むしろ1つに絞らず、一人一人のやりたい事を全てやってしまえばいいですよ。
そんな事が可能なのですか!?
「祭り型集会」なら可能です。
祭り型集会とは
事例1「係活動発表集会」5年生
この議題が出てきた背景は、以下のような感じです。
係活動の発表会をしたいな。
どうしてですか?
活動のペースが遅くなってきているよ。
活動をする人も同じ人ばかりになっているし…。
やる事が少なくなってきたよ。
みんなに、もっと係の活動を見てほしいな。
なるほど。
それでは、係の活動を発表する集会をして、お互いの係のよさを見つけたり、伝えあったりする活動をしましょうか。
そうすれば、係活動の「やりがい」が高まり、もっと活性化するかもしれません。
子どもの生活経験の中で、今回の係発表集会と同じような事がないかを考えました。
すると…ありました!
産業祭り!
以下のようなポスターを作成しました(私が)。
このような掲示物を作成し、「産業まつり」について教師から紹介しました。
企業の新商品や県産品のよさを「見て、味わって、体験して知ってもらう」ということが、今回の係活動発表集会と似ていることを確認しました。
産業祭りでは、うまく「よさ」を伝えられれば、企業は今後も商品を買ってもらえます。
係活動であれば、今後の活動が認知され、活性化するという事です。
係活動発表集会の、教室レイアウトはこんな感じです。
係ごとにブースを設け、紹介新聞、体験、ゲームなどを工夫して、係のよさを伝えます。
祭りのように、出店にお客さんが来て、体験やゲームをするような集会活動です。
これが、祭り型集会です。
一人一人の子どもが、確実に自分のやりたい事をできます。
つまり、「思いや願い」を叶えながら活動をする事ができます。
学級会の板書です。
・パンフレットとスタンプラリーを作る(全ての係を回ってもらうために)
・係ごとに紹介ポスターを作る(もっと知ってもらうために)
・係のブースに来てくれた人に「アンケート」をとる(お客さんからも、よさや改善点を伝えてもらう)
事例2「なかよくなろうお祭り」1年生
これは、子どもの幼稚園や保育所での経験から出てきた議題です。
「お祭り」って、幼児期には多く経験しているようです。
こんな感じで、ボウリング屋さん、アクセサリー屋さん、レストラン…といった、様々な出店がでてきました。
・みんなが楽しいお祭りにする(抽象的…)
・花火(紙で)を作って、ひもでつるす
・紙ふぶきで楽しい雰囲気にする
・他のお店の道具を勝手にさわらない
ちょっと物足りない板書に見えるかもしれませんが…
私としては、1年生なりにがんばったなぁという感想です。
短冊は、黒板記録の子どもが書いて、黒板にはっています。
「アイディア」「約束」と、カテゴリー分けしたのも、子どもです。
すごくないですか??
祭り型集会のメリット・デメリット
・子ども一人一人が「やりたい事」を確実にできる
・子どもの満足度が高い
・準備の時間を設定しなくても、自分たちで計画的に進めてくれる(実践への切実感が強いから)
・ブースごとに、工夫がたくさん考えられるので、一人一人の役割が充実する
・一人一人が違う活動をしているので、様々な仲間との交流が生まれにくい(自分のグループのみ)
・集会時は教室内が騒がしくなりがち(隣のクラスの迷惑にならないよう注意)
・片付けが大変
終わりに
祭り型集会は、子ども一人一人の満足度が高まり、個々の良さを存分に生かすことのできる集会活動です。
集会後の振り返りの中で、子どもから
「あと1000時間やりたい」という感想がありました。
充実した時間であったことが伝わってきます。
また、祭り型集会は
「学級独自の工夫」が生まれやすい活動です。
年に1度くらいは、祭り型集会を実践してみては。