先生がやること、とは
ざっくりお伝えすると…
先生が驚くことです。
学級会中に、ひとり言のように、驚きをつぶやくのです。
これは、かなり大人びた印象の6年生にも効果的でした。
なぜ、つぶやく方がいいのか、自分なりに考えてみました。
余談ですが、教師の役割について詳しく知りたい方は【学級会を深めたいならこれをやろう〜先生の働きかけ〜】の記事も読んでみてください。
何をつぶやくのか
基本的には
「強化したいこと」をつぶやきます。
例えば、先生が
「司会グループの力で学級会を進められるようになってほしい」
と感じているのであれば、そんな場面が少しでもみられた瞬間に、つぶやきます。
司会すごいなぁ…。
こんなに、自分たちで進められるものなの?
また
「お友だちと協力して話し合い(課題解決)をしてほしい」
と感じているのであれば、司会が「近くの人と○分間、話し合ってください」と言った時に、教室を歩き回り…
すごい…。
こんなに協力して話し合いができるんだなぁ。
こんなに一生懸命考える子たち、初めて見たなぁ…。
いやぁ、すごい。
単純に、発表された意見についても、つぶやいていいと思います。
よく工夫を思いつくなぁ…。
これって、普通なの?
すごいんだけど…。
この方法は、先生が子どもの自治的な話し合いに、関与しすぎている印象を受けるかもしれません。
だからこそ、つぶやく事なのです。
公式意見ではなく、あくまで「ひとり言」なのです。
・全体に向けて一斉指導のように話すよりも、押し付けがましい感じがせず、受け入れられやすい
・学級会導入期の4月頃が、特に有効
・学級会が進むにつれて、ひとり言の頻度は減らしていく
必要となる先生の資質
先ほど、「強化したいことを、つぶやく」と書きました。
しかし、初めのうちは、先生が「すごい」と思ったことを純粋な気持ちでつぶやく方がいいと思います。
その方がわざとらしさも無く、すんなり子どもに受け入れられるはずです。
ですから、必要となる先生の資質は…
これは、資質があるか無いか…というよりは、誰にでもできる事だと思います。
先生が、子どもを見る「まなざし」を調整するのです。
すでに必要のない人もいますが、子どもの「見方」を変えてみるという事です。
例えば、子どもが自主的に立って、発表するだけでも、すごいことだと思いませんか?
私達の日常を思い返してみてください。
職員会議や校内研究、授業研究の場で、どれだけの先生が自主的に手をあげて発言できるでしょうか?
職員全員の前で、正解の無い話し合いの司会を、進んでがんばることのできる先生は、何名ほどいるでしょうか?
ましてや、新たなアイディアや工夫を生み出すような発言をする子は、はっきり言って表彰してもいい程の素晴らしさです。
私達だって、行事や指導方法の新たな工夫を生み出すのは、一苦労ではないですか?
そういう事を発言できる先生は、ひと握りのはずです。
もし、そうではない学校があるなら、ごめんなさい。
そう考えると、子ども達は日々ひたむきにがんばり、一生懸命に学びと向き合っている子がほとんどです。
子どもの姿は、驚きと感動に満ち溢れていると感じるのです。
しかし、子ども達は
「自分の、何が、どう素晴らしいのか」
「自分の、この行動が、なぜ素晴らしいのか」
という事を、知りません。
だからこそ…
これは、先生の大切な役割だと思うのです。
さらにやる気を高めるために
学級会の終わりに、こんな事を話してみます。
今日の司会グループ、本当にすごかった。
だってさ、先生が入る場面がほとんどなかったよ。
かなりレベルの高い司会だよ。
みんな、次の司会グループのハードルが上がったように感じるかもしれないけれど、心配しないでね。
今日が凄すぎただけだからね。
「だってさ、先生が入る場面がほとんどなかったよ」という言葉は、学級の実態に応じて、色々と変化させてください。
例えば…
「シナリオがないのに、自分で考えて進めていたよ」
(ちなみに、私は1年生でもシナリオは使いません。シナリオ不要論)
「他の人の役割も、助け合いながらやっていたよ」
「話題がつながるように、気をつけていたよ」
「とても穏やかに進めてくれたから、みんなが意見を言いやすかったよ」
「みんなの状況を見て、○分間近くの人と話し合ってください、と言っていたよ」
などなど…いくらでも思いつくはずです。
そもそも、クラスで初めての学級会の司会をするだけでも、すごいですよね。
いやいや!
先生、僕たちもあれくらいはできるよ!
えぇ!?本当!?
それは楽しみだなぁ。
びっくりだよ、みんなもあれ程の司会ができるの?
かなり難しいと思うんだけれど…。
できるできる!
次は私達にさせてみて!
おそらく、こんな感じになるかと思います。
少し先生が「あおった」感じがしますが、嫌味のないようにやってほしいと思います。
この方法の良いところは、
子どもが「チャレンジしたい」という気持ちになること。
「司会グループにやりがいを感じ、好きになること」です。
おまけ
学級会の最後に「先生の話」があるかと思います。
そこはどのような時間かというと…
子どもの、素敵な態度・言葉・行動を、意味づけたり、価値づけたりする時間です。
簡単にいうと、なぜ素敵なのかという理由を添えて、子どもを褒めるということです。
改善点などは、子どもに学級会の振り返りカードを書いてもらえば、子どもの方から出てきます。
子どもってすごいのです。
自分たちの課題は先生に言われなくても、ほとんどの場合、自分でわかっています。
そこで、振り返りに書いてあった課題(次はもっとがんばりたいこと)を、後日子ども達へ伝えます。
先生は、この前の学級会で「すごいなぁ」と思うことしか見つけられなかったんだけれど、課題を発見したお友だちもいました。
すごいよね。
こんな意見がありました…
こんな感じです。
先生からのお説教よりも、はるかに子どもの心に響きますよ。
余談ですが、振り返りカードは、単体のワークシートにする方がほとんどだと思いますが、
私は「日記」で書いてもらうことをオススメします。
日記について詳しく知りたい方は【日記で子どもから信頼される】の記事も読んでみてください。