学級活動

学級会を深めたいなら、これをやろう(先生の働きかけ)

学級会を深めたいなら、これをやろう

新米先生

学級会って、マンネリ化してしているというか…話し合いがあまり深まっていない気がします。

ポン太先生

学級会は子どもの自治的な活動ですが、子どもに「任せっぱなし」では、深まりません。

考える視点がはっきりしない学級会は、子どももワクワクしませんし、マンネリ化していきます。

新米先生

考える視点?

「提案理由」や「めあて」のことでしょうか?

ポン太先生

「提案理由」や「めあて」を意識した話し合いは、学級会の基本型です。

さらに深めるためには、先生の「予見付与」という働きかけが有効です。

新米先生

予見付与!?

なんだか面白そうです。

もっと教えてください!

ポン太先生

一緒に考えていきましょう!

予見付与とは?

「予見付与」という言葉は、以下の書籍からの引用です。

予見付与(フィード・フォワード)

〜中略〜

1つのアイディアがもたらす別な角度からの成果の「予見」、すなわち意味づけや視点を投げかけることも大切です。

小倉広(2016)「コンセンサス・ビルディング 使える!合意形成術」日経文庫 p139-140より引用

この言葉を自分なりに解釈して、教育実践へと落とし込んでみました。

学級会で、実際にどのように「予見付与」を行うのか、紹介していきます。

学級会における予見付与

事例1「エブリバディハッピー集会」

【めあて】みんなで団結できる工夫を考えよう

【話し合うこと】ゲームの工夫をどうするか?

この議題は

「みんなで団結したい」という生活課題の解決を目指しています。

そのために

「みんなで考えたオリジナルゲームに取り組む」ことになりました。

学級会では、そのゲームを

「どう工夫すれば団結できるのか?」ということを話し合っています。

ゲームのルールが簡単なものに決まりそうだったので…

先生から「予見付与」をしました。

画用紙にこのようなイラストを描いて、予見を付与しました。

ポン太先生

チャレンジのハードルが低いと、団結しなくてもいいよね。

チャレンジするハードルは高い方が、団結するんじゃないかな。

難しすぎるのもどうかと思うけれど、ちょうどいい位のハードルにしてみてはどうかな?

その後、子ども達はちょうどいい位のハードルを設定することができました。

事例2「がんばったね集会」

【めあて】一人一人が活躍できる集会にしよう

【話し合うこと】まとまりのある集会にするために、どうするか

この議題は

卒業を前に「(保護者や仲間に)自分たちの成長を伝えたり、思い出を振り返ったりする集会をしたい」という思いからはじまったものです。

そのために

「一人一人の得意を生かした出し物をする」ことになりました。

しかし

「みんなが別々な出し物をするから、まとまり(一体感)が無い感じになってしまうのではないか」という不安が出てきました。

そこで

「一人一人が活躍しながらも、まとまりのある集会にするために、どのような工夫をするか」ということを話し合っています。

私としては…

「本当に一人残らず“全員”が活躍できる内容になっているのか?」という疑問がありました。

そこで

先生からの「予見付与」を行いました。

その後、子ども達が出した答えは…

★準備の段階から録画をして、最終的には動画編集を行い、番組(ドキュメンタリー)を作成する。そうすることで、裏方の活躍も見える動画編集は得意な子がいるので、その子の得意も活かせる。

★全ての出し物に「共通のテーマ」を設定することで、別々な出し物でも「まとまりや一貫性」が生まれる。

こんな感じでした。

実際にドキュメンタリービデオも作成し、全家庭に配布しました。

子どもって本当にすごいですよね。

予見付与の考え方

学級会における「予見付与」を考える場合、以下のような視点で教材研究をすればいいと思います。

・子どもだけでは考えに至らないような「見通し」を示す

・子どもが知り得ないであろう「知見」を示す

・単純に先生の「不安や疑問」を示す

ちなみに、私は「予見付与の画用紙」は

授業前に書いておきました

つまり

話し合いの流れを予想して、事前に書いておいたのです。

事前に教材研究をする時間がない場合は、話し合いの流れを見ながら、学級会の途中でサラサラと書けばいいと思います。

見ていただいた通り、画力はあまり必要ありません(笑)。

棒人間や○、△、□といった、シンプルなイラストで十分です。