日々の実践

国語「おおきなかぶ」の授業で驚いた(1年生ってすごい)

国語「おおきなかぶ」の授業で驚いた

ポン太先生

私は今年度、初めて1年生の担任をすることになりました。

(先生歴18年目にして)

1年生の「当たり前」がわからないのですが、純粋に「1年生ってすごいな」と思うことがあります。

今回は国語の授業で驚いたことを紹介します。

私が勉強不足で、実は普通の事なのかもしれません…。

しかし、私と同じように、初めて1年生の先生をする方は、共感していただけるかと思います。

何に驚いたのか?

一言で言うと…

子どもが、自ら「問い(学習課題)」を出したこと

これって、高学年では当たり前のことだと思います。

つまり

「この作品を読んで、もっと調べたいことや、不思議だなと思ったことは何ですか?」

2年生以上であれば、先生がこんな感じで聞くと、子どもから答えが返ってくると思います。

そして、子どもから返ってきた答えが「問い(学習課題)」となります。

毎時間の授業では、この「問い」を一つ一つ解決していくことで、読みを深めていきます。

ポン太先生

この方法が、一般的なのかどうかは、わかりません。

私は、いつもこんな感じで、単元の学習計画を立てていました。

しかし、私が驚いているのは…

1年生になって、初めての物語(文学?)教材で、先生が聞いてもいないのに、自ら「問い」を発言したこと

これは普通のことなのでしょうか?

もしそうであったら、すみません。

付け加えるなら、ある時突然、

「問い」がどんどんあふれ出してきたのです。

もう少し詳しく説明していきます。

問いが出た瞬間

子どもから問いが出た瞬間は

4時間目(第4時)でした。

初めに出た「問い」は、ある男の子がつぶやいた

「なんで、願いが叶ったってわかるの?」

という言葉でした。

つまり

「なぜ、あまくて、大きなかぶになったとわかるのか?(食べてもいないのに…)」ということです。

その後、次々と子ども達から「はてな?」があふれてきました。

次の授業では、この「はてな?」を解決していこう、ということで授業を終えました。

問いは全部で7つあったので、1つの問いに1時間の授業時間をあてることはできません。

そこで、

自分が解決したい「問い」にネームプレートを貼ってもらい、1人1つの問いを解決することにしました。

最後に、それぞれの「問い」に対する「答え」を共有しよう…という流れですね。

それでは、全時間の記録を、簡単に紹介します。

単元の流れ

1時間目〜3時間目までは、以下の書籍を参考にして授業をしました。

というか、ほぼ本に書いてある通りです。

1時間目

1年生にとっては、生まれて初めての物語教材です。

国語科の先生から「音読をたくさんやって、思いっきり楽しんで学習を終えるといいのではないか」とのアドバイスをいただいていました。

あまり多くのことは求めなくてもいい…と受け取りました。

とりあえず1時間目は音読です。

実は、子ども達のほとんどは、「おおきなかぶ」をすでに知っています。

ですから、普通に読んだのではあまり新鮮味がありません。

音読でショックを与える

子どもに、列ごとに音読をしてもらい…

・声が出ていませんね、座ってください

・バラバラです、座ってください

・教科書を持っていない人がいます、座ってください

といった感じで、子どもが2文を読んだくらいで、どんどん止めて、座らせてしまいます。

子ども達は「うわぁ…厳しい」といった雰囲気です。

しかし、かなり緊張感が高まり、子どもの目つきが変わります。

全列が終わったら、2周目に入ります

子どもの音読が劇的に変わります

先生も2週目は褒めてください

2週目は、子どもも「絶対にうまく読んでやるぞ」という気持ちで、かなり燃えます。

ここで先生が意識するのは「ハキハキ読ませる」ことだそうです。

とにかく、音読に本気になり、みんな音読をがんばるようになりました。

2時間目

ここでは

先生が間違い読みをする

という時間です。

例えば、

「あまい、あまい、かぶになれ」を

「あまい、かぶになれ」と、間違えて読みます。

子どもからは、「先生、間違えているよ!」と指摘があります。

先生は

「別に、“あまい”は1回でもいいんじゃないの?」と、とぼけます。

すると子どもからは、1回ではダメな理由が出てきます。

1回ではダメな理由を考えることで、子どもが教材文を深く読むことにつながる

そんな気がしました。

3時間目

ここでは

登場する順番は「どうでもいいよね」と、とぼけます

先生は「この順番じゃなくてもいいよね?」と、子どもに伝えます。

順番よく登場してくることの意味を説明することで、子どもが教材文を深く読むことにつながる

こんな感じで、3時間目までは進めていきました。

授業の中で、毎回、音読の時間は多めに設定しました。

子ども達はすぐに教材文を覚えてしまい、この頃には、ほとんどの子どもが教科書を見ずに音読をしていました。

家で何十回も読んでいる子が多く、子どものやる気に驚きます。

4時間目

「問い」が出てきた時間です。

どのようにして「問い」が出てきたのかは先述しましたので、ここでは詳しく書かないことにします。

新米先生

なぜ、子どもから、自然と「問い」が出てきたのでしょうか?

ポン太先生

はっきりとした理由はわかりませんが、仮説はあります。

おそらく、「音読をたくさんしたから」だと思います。

もっと言うと、「質の高い音読をたくさんしたから」だと考えています。

ポン太先生

子どもの頭の中に「おおきなかぶ」というお話の世界が入り込み、情報や思いがたくさん蓄積したことで、「問い」があふれ出した…と考えています。

5時間目

子どもから出された「問い」を、みんなで解決します。

時間がありませんので、1人1つの「問い」を選んで、解決することにしました。

「問い」の「答え」は全員で共有しました。

6時間目

最後の時間は、グループごとに音読発表会をしました。

みんな一生懸命に音読し、ハキハキと読むことができていました。

子どもの急成長にも驚いた単元でした。

終わりに

1年生の凄さには、驚かされることが本当に多いです。

一生懸命さとか、素直さって、人間の成長に必要なことなのだなぁと感じます。

これからも、1年生の天才ぶりをお伝えできればなぁと思います。