平和集会
私の勤務している県では6月頃になると、各学校で「平和集会」という行事が行われます。
今年度はコロナウィルス感染症の影響があり、全校児童で集まって行う集会活動はできません。
そこで、
6年生が平和に関するビデオを作成し、朝会の時間帯に各教室で視聴する、ということになりました。
道徳の授業で
このビデオを使って、1時間の道徳授業を行うことにしました。
ビデオの内容は6年生が考えたものであり、とても素晴らしかったです。
すごい教材であり、1年生が引き込まれていくのが伝わってきました。
6年生からの問いは主に3つ。
この内容に沿って、子ども達と話をしていきました。
「平和」って何だろう?
この問いについての答えは、以下のような感じでした。
この時点でもう
「1年生ってすごいな」と感じました。
1年生なりの経験値で「平和な様子」を言葉にできるのです。
今は「平和」って言えるのかな?
この問いについて、「楽しいから平和って言える」「家族と暮らせるから平和」といった答えが返ってきました。
ほとんどの子どもが「もちろん平和でしょ」と感じているようなので、少し問い返してみました。
子ども達の表情が変わりました。
先ほどまで「当たり前だと感じていた平和」が、何となく違ったものに感じ始めたのだと思います。
そこで、「平和だと思う人?」とたずねると、2名の子どもが手をあげました。
「平和じゃないと思う人?」には1人も手をあげませんでしたが、「どちらか分からなくなった人?」には残り24名の手があがったのです。
迷いが生まれました。
すごい子ども達です。
「家族と暮らせることは当たり前なの?」
正直思いつきの発問でしたが、子ども達の本気を引き出せたようです。
子ども達は真剣な表情で自分の考えを伝え始めました。
これらの発言、はっきり言ってすごすぎます。
1年生は私の想像をはるかに上回りました。
私は1年生の担任をするのが初めてなので分からないのですが、こういった発言を当たり前にできるのでしょうか。
この時点で私は「まずい。もう子どもに負けている」と思いました。
つまり
教材研究が不足しており、これ以上子どもの思考を深めることができないと感じたのです。
子ども達はもっともっと深めようとしていました。
6年生の作成したビデオに甘えて、教材研究を怠ったことを後悔しました。
今私たちにできることは何だろう?
最後の問いです。
ここでもすごい発言が出ました。
まず子どもから出てきた言葉は「お手伝いをする」でした。
「俺はいつもしてるよ」というつぶやきも出てきて、微笑ましかったです。
「ケンカをしないこと」という意見もありました。
そして次に
「みんなに笑顔をあげること」という言葉が返ってきました。
この言葉にも子ども達が反応しました。
次々に意見が生まれます。
みんなを笑顔にするために、「ニコニコする」「いじわるをしない」「嘘をつかない」「ありがとうって言う」などです。
最後に…
1年生って本当にすごいです。
純粋に真っ直ぐな気持ちで、世の中にある答えなき問いに、自分の頭で立ち向かえるのです。
解決に向けたアイディアを生み出せるのです。
最後の問いについて議論している途中で、授業終了のチャイムが鳴りました。
何と45分間、席に座ったまま子ども達は授業を続けたのです。
私にとってもあっという間の時間でした。
45分間丸々座って授業をしたのは、これが初めてでした。
一斉登校が始まってからわずか3週目の授業で、です。
6年生が作成したビデオ教材の力ではありますが、子ども達との真剣なやりとりと、発言の質の高さに、驚きと感動でいっぱいでした。
これからは、私自身の力でこのような授業がつくれるよう、がんばりたいです。
子ども達の資質の高さは間違いありません。あとは私次第です。
・戦争がないこと
・にぎやかなこと
・街が新しいこと(ボロボロではない)
・いっぱい食べられる、遊べること