日々の実践

(1年生)先生が、泣かせちゃった…

はじめに…

先生になって18年。

これまでに担任をした学年は4年生〜6年生のみ。半分以上は6年生の担任でした。

今年度は初めて1年生を担任することになり、私としてはうれしかったです。

人生で初めて学年の希望を出し、以前から担任をしてみたかった1年生の先生になることができました。

しかし…1年生の担任は難しい。

低学年の先生方を心から尊敬します。

子どもの発達段階を理解することは本当に難しいなぁと感じています。

道徳の授業で

1年生で初めて道徳の授業をしました。

「みんなで楽しく遊ぶには」みたいな内容で、教科書の挿絵を見ながら、子ども達とお話ししていました。

私が「みんな楽しそうに遊んでいるね」と言うと、子ども達が「ううん。一輪車をとろうとしている人がいる」と言ったのです。

挿絵の中に『一輪車を無理やり借りようとしている子ども』がいるのです。

私が「え?本当?これは一輪車をとろうとしているの?」と聞くと、「そうだよ。ダメだよ」と返ってきました。

私が「じゃあこんな時はどうしたらいいのかな?」とたずねて、実際にその場でやってみることにしました

役割演技での失敗

教室の中だったので、一輪車に見立てたイスを使って、役割演技をすることにしました。

私が「じゃあ、一輪車に乗っている子をやりたい人?」と聞くと、たくさんの手があがりました。

1年生のやる気って本当にすごいです。

そこで前の方に座っていた女の子を指名し、イスに座ってもらいました。

ほとんど予告もなく、私が「じゃあ先生が一輪車を借りようとするからね」と言って、その子から一輪車を借りる演技をしました。

私が「ねぇ、この一輪車かして!かして〜!」と言うと、その女の子は表情を曇らせて「いいよ…」と言って、イスから立ち上がりました

女の子は目に涙をためて席へと帰っていきました…。

私は大人の男性ですし、声も大きかったのだと思います。

女の子をビックリさせてしまい、怖い思いをさせてしまったのでしょう。

なんたる失敗…。

きっと

「楽しいことができる」と思って前に出てきてくれた女の子の期待を裏切り、嫌な思いをさせてしまったわけです

女の子には「ビックリさせてごめんね」と謝りました。

そのあとはもう授業をやめて、みんなで運動場に遊びに行くことにしました。

楽しく遊んで、気を紛らわせてもらおうと考えたわけですが…。

そう簡単にはいかない感じでした。

私はなんと未熟者で浅はかなのでしょうか…ショックすぎました。

出来事を振り返って

この道徳の授業には、いくつかの失敗がありました。

役割演技を私がやってしまったこと

これについては…言い訳ですが、一瞬「一輪車を無理やり借りるような嫌な感じの役を子どもにさせないほうがいいかな」みたいな考えが浮かびました。

そしてとっさの判断で私がやることにしたのですが、それがそもそもの失敗です。

子ども同士でやったほうがきっとリアルな演技になったはずですし、学びも切実感も深まったはずです。先生の思惑が強い活動にしてしまいました

子どもの発達段階を理解していなかったこと

役割演技で先生がちょっと本気のふりをして「かして!かして〜!」みたいな

冗談まじりの空気は、中学年以上であれば理解ができ、楽しめたかもしれません。

しかし1年生にはそんな空気は読めなかったのです

知らなかった…大失敗。

終わりに…

この出来事を通して、1年生への自分の理解の足りなさや、そもそもの授業づくりの未熟さを反省しました。

何よりもショックなのは、

「楽しそう」と思ってワクワクしながら手をあげてくれた子どもの期待を裏切り、逆に怖い思いをさせてしまったことです。

今後の授業では、もっと子ども達がワクワクするような活動を仕組み、あの女の子がまた手をあげられるような場をつくれたら…と思います。

そして今度こそは「やってよかった。楽しかった」と感じられるようにします。

1年生の先生として、もっともっと勉強してがんばらねば!