日々の実践

1年道徳「ぷうたのやくめ」の授業で驚いた〜公正、公平、社会正義〜

道徳の授業では、毎回「新しい価値を創り出す」ことを目標にしています。

「新しい価値を創り出す」とは?ということについては【新しい価値を創り出す道徳授業〜1年「きんのおの」で驚いた】をお読みください。

新たな価値を創り出す道徳授業 〜1年「きんのおの」で驚いた〜 新たな価値を創り出す道徳授業とは? 新米先生 「新たな価値を創り出す」って何ですか? ポン太先生 「新たな価値を創り出す...

1年「ぷうたのやくめ」の授業

授業の板書

今回も、事前に道徳部のT先生からいただいた資料を読みました。

(T先生、いつも本当にありがとう)

平等には「絶対的平等」と「比例的平等」がある。

「絶対的平等」は、いつでもどこでも同じ基準で判断。

「比例的平等」は、その時、その場の実態や状況に合わせた基準で判断する。

この言葉をヒントに、授業を進めていきました。

導入

「ずる」や「いんちき」は…のあとに、どのような言葉が入るのかを聞いてみました。

ポン太先生

「ずる」や「いんちき」は…

の続きを教えてください。

子ども

ダメ!

子ども

人に嫌なことをしている

子ども

恨まれちゃうよ

導入で「ずる」や「いんちき」は「なぜダメなのか」を押さえておくことで、展開部分で「ツッコめる」と考えたからです。

例えば、「人に嫌なことをしているのがダメならば、バレなければ嫌な思いはしないから、いいよね?」と、ツッコめます。

「恨まれる」という答えにも、「バレなければ恨まれないよ?」と問い返すことができます。

導入では、そういった言質をとっておくことを考えています。

つまり、「さっきはこう言っていたよね?」と切り返せるようにする、ということです。

とにかく…

全員が、「ずる」や「いんちき」はダメ!と答えました。

さすが1年生。素直すぎます。

展開

まずは資料を読みました。

資料の大まかな内容は以下の通りです。

くまのぷうた君は、ぞうおじさんから、「小さな子達に、このアメ玉を配っておいてね。1人3個ずつ配るんだよ」とお願いされます。

さっそく、ぷうた君は、小さな子達にアメ玉を配り始めます。

小さな子達が列をつくって待っている中に、隣に住んでいて仲良しの“リスのけんちゃん”の姿が見えます。

そこで、ぷうた君はこう考えます。

「けんちゃんにだけ、アメ玉を1つ多くあげようかな」

「誰にもわからないし、けんちゃんも喜ぶよね」

しかし、ぷうた君は、けんちゃんの後ろに並んでいる、たぬき君の笑顔を見て、踏みとどまります。

ぷうた君は、全ての小さな子達に3個ずつアメ玉を配ることができました。

最後は、ぞうおじさんにも褒められて、「みんな喜んでいたね」と言われて、おしまいです。

道徳で「資料の内容が理解できていない」という子どもは割と多いです。

そこで私は、子どもが「文脈を理解するために必要」だと思った3点を、吹き出しの掲示物にしました。

1人に3個ずつアメ玉を渡すように言われた

「アメ玉を1つ多くあげようかな」と考えた、ぷうた

「誰にもわからないし、けんちゃんも喜ぶよね」と考えた、ぷうた

最初の発問は、こんな感じでした。

ポン太先生

バレないんだから、誰も嫌な気持ちにならないよ?

(アメ玉を1つ多くあげたことが)

ここで残念だったことは(残念なのは私)、子ども達が

「バレるに決まっている」

「あとからバレる」

「必ずバレる」

という考えに終始してしまったことです。

私としては

バレるかどうかではなく、「けんちゃんにだけ、1つ多くあげる」という行為に、どのような問題があるのか?ということを追求したかった。

しかし、この日も子どもに助けられました。

子ども

心の中に「いんちきの“かたまり”」ができちゃうよ。

ナイス!

ここから深めていきました。

子どもが黒板に絵をかいて、説明してくれました。

子どもが、このようなマス目状のものをかきました。

“ずる”や“いんちき”をすると、マスが塗りつぶされていくのだそうです。

これが、心の中に増えていくと…大変!

というのが、子ども達の意見でした。

子ども

バレても、バレなくても、本当は「やっちゃダメ」なんだよ。

こんな意見もでてきました。

今回の道徳授業での新しい価値は

“ずる”や“いんちき”をすると、心の中に「いんちきのかたまり」が増えていく。だから、やっちゃダメなんだ。

という感じですかね。

終末

最後は、一人一人にワークシートを書いてもらって、終了です。

今回は、「ずるやいんちきは、どうしていけないのか?」ということについて、意見を書いてもらいました。

私は、道徳の終末に書いてもらう質問欄は、空白にしています。

そして、授業をした中で、話題になった内容を書いてもらうようにしています。

ですから、問題文?質問欄?は、その場で子どもに書いてもらいます。

子ども達の、やる気と賢さに支えられ、なんとか日々の授業が成り立っています…(^_^;)

子ども達の可能性も引き出すために、もっとがんばらねば…p(^_^)q