学級活動

幸せな学級をつくるには「集会活動」が効果的です

前回の記事で、「幸せな学級とは何か?」ということを考えました。

詳しくは前回の記事

【幸せな学級づくりを目指して】を、読んでみてください。

幸せな学級づくりを目指して 「幸せな学級」とは何でしょうか。 それはズバリ 「自治的な学級」です。 上越教育大学教職大学院教授・赤坂真二先生の著...

幸せな学級をつくるには「集会活動」が効果的なのは、なぜ?

ざっくりと確認すると、「幸せな学級」=「自治的な学級」です。

つまり、

子どもが「自分の力で、自分の目指す学級をつくっていく」ような学級だと、子どもの幸福感は高いということです。

「どんな学級にしていきたいか」ということを、子ども達に確認し、そんな学級にするための「集会活動(遊び)」に取り組んでいくということ。

そうは言っても、学級には複雑で様々な課題があり、それを子ども達の力だけで解決していくことは難しいです。

そこで、学級活動の時間を使って、先生の適切な指導のもと、「子どもが目指す学級の姿」に近づけるような取り組みをしていきます。

私が提案したいことは…

ポン太先生

学級生活の課題は、「集会活動」を通して、「楽しく解決」していこうよ!

…ということです。

集会活動は子どもにとって、「楽しい活動」であり、「楽しみたい活動」です。

つまり、

子どもが「本気になって取り組む学習」なのです。

子どもが本気になって取り組んだ学習、ワクワク感を伴って取り組んだ学習は、子どもの確かな学力として身につきます

例えば、子ども達が、「一人一人を大切にする学級にしたい」ということを願っている場合、そのまま「一人一人を大切にするような集会(遊び)を計画して、実践しようよ」という集会活動に取り組むわけです。

たったこれだけの実践で、学級内の多くの課題解決につながることは、想像できるでしょうか?

一人一人を大切にする学級とは

○ 相手の意見を否定しない

○ 相手の気持ち(話)を最後まで聞く

○ 相手の気持ちも理解しようとする

○ 自分の気持ちばかりを優先しない

○ 全員が納得するような答えを考える

パッと考えただけでも、これくらいは思いつきます。

「一人一人を大切にする学級を目指した、集会活動に取り組む」だけで、

実はその裏で、最低でもこれくらいのことを子ども達は学ぶのです。

学ばざるを得ないといってもいいかもしれません。

なぜなら…

「一人一人を大切にするような集会活動(遊び)の工夫を考えること」は、かなり難しいことであり、高度な課題解決学習であるから、です。

学級活動は、かなり高度な課題解決学習なので、子ども達の学びも大きいのです。

しかも、「子ども達から発信された」、「子ども達のやりたいこと」を扱っているので、自治的な取り組みになります。

つまり、

幸福感の高い取り組みなのです。

集会活動には年間を通して取り組む

私が取り組んだ1年間の学級活動

こんな感じの議題に取り組みました。

学級活動では、まず初めに「クラスの合言葉」を決める必要があります

ポン太先生

「合言葉」とは、学級によって「クラス目標」「学級目標」と言われている言葉のことです。

「子どもが目指すクラスの姿」を言葉にしたものですね。

 私のクラスでは、以下の5つが「合言葉」として決まりました。

○ 思いやりがある

○ 見通しがもてる

○ 幸せ

○ 楽しい

○一人一人を大切にする

学級活動には「年間を見通した流れ」がある

学級活動は、何でもかんでも子どもに聞いて、単発で進めていい活動ではありません

そうなると、せっかくの効果が薄くなります。

きちんと、

先生の意図性を持って取り組みましょう

1学期の学級活動

合言葉などに向かって、楽しい活動をたくさん計画しよう

ポン太先生

1学期はとにかく、「みんなでやるって楽しい」と思えるような活動に、たくさん取り組みましょう。

2学期の学級活動

合言葉に向かっているのかを振り返り、見直しをしよう

ポン太先生

2学期は、一度立ち止まって、本当に自分たちが目指す方向に向かっているのかを、確認したほうがいいです。

ポン太先生

私は、集会活動を終えるたびに、子ども達へ「合言葉の5つの言葉の達成度を、5段階で評価するアンケート」をとっていました。

これは学級の平均値です。

こうしたアンケート結果も、先生の意図性を持って取り扱いましょう。

私は9月まで、このアンケートの結果を子ども達に見せませんでした

つまり、9月に行った「実習の先生方とのお別れ会」が終わってから、この結果を子どもに公表しました。

毎回アンケート結果を見せていると、どうしてもアンケートの事ばかりを考える子どもも出てきます。

あくまで、自然な姿で、集会活動をさせることを意識しましょう。

こうして

可視化することで、子ども達は1学期から今日までの成長を、心から実感することができます

また、

「見通しを持った行動にはまだ課題があるね」「一人一人を大切にすることや、思いやりは、今でも悪くないけれど、もっと上を目指したいね」といったことを、自発的に発言してくれます

3学期の学級活動

1年間の活動を振り返り、自分たちの良さや成長を発信しよう

ポン太先生

3学期は、1年間の集大成となる、大きな集会活動を計画しましょう。保護者や地域、他学年への発信・表現活動ができると、なおいいですね。

大まかにですが、「年間を通した学級活動の流れ」の例です。

先生がこうした見通しを持っておくと、場当たり的な実践にはなりません。

また、

一つ一つの実践がつながりのあるものになり、より大きな効果が期待できます

各学期で中心となった集会活動の紹介

ポン太先生

「問い」と「答え」という形で書かせてもらいます。

「問い」とは、子ども達が課題解決したい事柄であり、「こんな学級にしたいと願う姿」です。

「答え」とは、課題解決に向けて「子ども達が創り出したアイディア」です。

1学期 おにごっこ集会

【問い】
 一人一人を大切にするには、どうすればいいのか

【答え】
 全員の願いや思いが叶う、遊びのルールを生み出すこと

2学期 Everybody Happy集会

【問い】
みんなで団結するには、どうすればいいのか

【答え】
全員参加型で、ちょうどいい位の難易度に設定した、オリジナルゲームに挑戦すること

3学期 思い出集会

【問い】
まとまりがあり、一人一人が活躍するためには、どうすればいいのか

【答え】
それぞれの「得意」を生かした出し物を披露できる集会をする。

それぞれの出し物には、学級で共通のテーマを設けたり、座席の工夫をしたりすることで、一体感を出す。

どの問いも、簡単には解決できないものばかりです。

ひとつの正解なんて、どこにもありません。

難しい問い、正解を自分たちで創っていけるような問いこそ、子どもは燃えます

おまけ

誕生日集会は毎月やったほうがいい

新米先生

誕生日集会って何ですか?

ポン太先生

その名の通り、その月の、誕生日の子どもをお祝いする集会です。

学級の仲間が「今ここにいること」は奇跡です。

命が生まれた日を、みんなでお祝いしましょう。

誕生日集会は、

基本的に学級会などの時間はとりません

係活動の時間で準備をするか、朝の会などで役割分担だけを決めて、あとは当日までに自分達で準備をしてもらいます。

1年生の場合は、1回目の誕生日集会だけは学級会をしましたが、あとは役割分担だけを確認して、自分たちで準備をしてもらっています。

ただし、

低学年や中学年は、準備の時間として1時間だけ、授業でとってあげた方が充実した集会になります

高学年は、時間をとらなくても自分たちで準備を進められます。

そして、

誕生日集会の実行委員は、輪番制で行いましょう

司会グループや学習グループで輪番にして、1年間で全員が実行委員を経験できるようにする、ということです。

会などを企画する大変さを全員が経験すれば、子どもは「協力すること」の大切さを学びます

また、

遊びの種目は、誕生日の子に決めてもらえばいいと思います。

1年間で確実に1回は、自分のやりたいことが確実にできるので、オススメです。

【誕生日集会の準備について】

○ 誕生日集会は毎月行う

○ 役割分担は決めるが、話し合いの時間は設けない

○ 中学年までは「準備の時間」を1時間設ける

○実行委員は輪番制で、年間を通して全員が経験できるようにする

○ 遊びの種目は、誕生日の子どもに決めてもらう