学級活動

計画委員会をやめよう

新米先生

学級活動に取り組みたいのですが、学級会の前に「計画委員会」に取り組む時間がありません…。

ぽん太先生

そうですね。学級会をしたいと思っても、事前の活動である計画委員会に取り組む時間がとれず、「準備ができていないから、今週の学級会は延期にしよう」ということがありますよね。

新米先生

そうなのです!計画委員会の時間って、学校生活の中でどこにも位置付けられていませんし、忙しい時にはどうしても後回しになってしまいます。

ぽん太先生

大丈夫です。計画委員会に無理なく取り組む方法があります。今日も一緒に考えていきましょう!

計画委員会をやめるとは?

この記事は以下のような人に向けて書いています。

□ 学級活動にもっと無理なく取り組める方法が知りたい

□ 学級会前の「事前の活動」に取り組む時間がない

□ 事前の活動の中でも「計画委員会」に取り組む時間がない

「計画委員会をやめよう」と言っても「計画委員会をしない」というわけではありません。

計画委員会は「事前の活動」と位置付けられており、授業以外の時間で先生が工夫して時間を生み出しているのが現状ではないでしょうか。

計画委員会は学級会や実践活動を充実させる大切な時間です。

これまでのように休み時間や朝の時間、給食準備時間など、先生が工夫して時間を生み出すのではなく、週に1回の学級活動の授業時間だけで計画委員会を進めていく方法を紹介したいと思います。

計画委員会をどこに位置付けるのか

ズバリ、計画委員会は週に1回の学級活動の時間で実施します。

計画委員会→学級会という流れだったものを…

学級会①→学級会②というふうに、学級会を1回増やして計画委員会を設定します。

つまり、計画委員会を「学級会①」に置き換えるということです。

この方法は、計画委員会を謎の(笑)授業時間外で行う必要がなくなるだけでなく、それ以外にもメリットがあります。

計画委員会では、このような活動をします。やることは多いですよね。
こんな感じで取り組みます。

提案理由の明確化、話し合うことを決める、話し合いのめあてを決める、については1週目の学級会①を設定して、全員で話し合ったり活動をしたりしながら進めるということです。

計画委員会を学級会①に置き換えるメリット

これまでの学級会で、こんな場面はないですか?

子ども

「話し合うこと」って誰が決めたの?なんだか勝手に決められた感じがして、やる気無くすなぁ…。

子ども

司会グループが先にいろいろと決めてしまって、「なんのために話し合うのか」がよくわからないなぁ…。

計画委員会は、司会を担当する数名の子どもと提案者、先生で行うことが通例です。

効率的に感じますが、実はそれ以外の多くの子どもが「置いてけぼり」になっていたり、なんとなく「トップダウン」に感じたりする子どもも必ずいます。

計画委員会を学級会①に置き換えて、全員で学級会の計画を立てることで、事前の活動から全員が議題に対して参画することとなり、途中で「わからなくなる」子どもは大幅に減ります。

学級会で「話し合うこと」についても、「自分で決めた」「話し合う必要があるから学級会をする」という気持ちを、子ども一人一人が感じることができます。

学級会①とは何か?

議題について

私の学級で行った「1年生との交流会」についての議題を例にします。

6年生11月の実践です。

ざっくりと、このような実践です。

体育館で1年生と一緒に文化祭(?)をします。

種目は運動会と称して「借り物競走」「5色綱引き」、お祭りと称して「食べ物屋さん」「景品屋さん」「映画劇(舞台)」「射的・ヨーヨー釣り」を行います。

つまり、運動会とお祭りを合わせて「文化祭」とよんでいるわけです。

学級会①の流れ

学級会①の流れは、大まかにこんな感じです。

これはあくまで一例ですので、必ずしも毎回この流れで進むわけではありません。

学級会①において大切なことは以下の2点です。

学級会①で大切なこと

・何らかの活動を「やってみる」時間をとること

・活動をやってみた結果から「解決すべき問い(問題)」を見つけること

学級会というと「全員一斉での話し合い」というイメージがありますが、「やってみる前に解決すべき問い(問題)を見つける」ことは、とても難しいことです。

解決すべき問い(問題)とは、つまり2週目の学級会②で「話し合うこと」です。

学級会①の導入で行う「一人一人全員発表」はなくてもいいですが、「発表してみたい」と思う子どもは多いので、簡単なテーマで発表することで参画意識も高まると思います。

「やってみる」で何をすればいいのか?

学級会①の中に「やってみる」という活動の時間を設定していますが、以下のような活動をイメージするとよいと思います。

□ 活動計画書を書く

□ グループで話し合う

□ 自由に動き回って話し合う

□ お試しでやってみる

□ 実践に向けた準備を進める

大切なことは子どもの自由度を高めることです。

一人一人が自由にアウトプットできる時間を設定することで、様々な問題が見えてきます。

それらの問題を学級会①の後半で共有し、2週目の学級会②で「解決すべき問い(問題)」=「話し合うこと」を見つけましょう。

この議題における学級会①では、子どもに活動計画書を書いてもらいました。

5色綱引きを担当するグループの活動計画書。

このような感じで、全ての出し物グループにスライドを使って計画書を書いてもらいます。

共同編集ができるようにして、クラスルーム内での共有もします。

そうすることで、学級全員が全ての活動計画書を見て、参考にすることができます。

実際に少人数で活動のイメージを話し合うことで、実践に向けた問題点などが見えてきます。

結果、5色綱引きは安全面への配慮から、子どもが「1年生が体育の授業でやったことあるものがいいんじゃない?」と言って、障害物競走に変更となりました。

学級会の在り方

話し合う前に活動から始める

先述しましたが、学級会というと「全員一斉による話し合い活動」というイメージがあるのではないでしょうか。

しかし実際は、何らかの活動をしないことには、「話し合う必要があること」は見えてこないのではないでしょうか。

45分間の学級会の中でも、活動→話し合い→活動→話し合い…というふうに、何らかの活動をやってみて見えてきた問題を全体で確認する・解決する、解決したらまた活動…を繰り返す方がいいかな、と思います。

これは、学級会だけでなく、どの教科の授業でも同じような考え方だと思います。

そして、すぐに解決しないような問題は、次回の学級会②で本格的に話し合うこととなります。

アウトプットの量を増やす

45分間ずっと全員一斉での話し合いを続けると、どうしても発表する子は偏ってきますし、よくて半数くらいの子供しか発言しないのではないでしょうか。

それが悪いとは思いません。

仲間の意見を聞きながら、自分の考えを深め、じっくりと考える時間を過ごしている子どももいると思います。

しかし、授業である以上、インプット(聞く時間)とアウトプット(発言・表現する時間)のバランスは気になるところです。

45分間の中に、アウトプットの時間も適切に設定されているからこそ、豊かな学びとなり、一人一人が充実感を味わえる時間になると考えています。

むしろ、一人一人のアウトプットの時間の方を多く設定したいと思っています。

終わりに

今回は、計画委員会を週に1回の学級活動の授業時間だけで実践していく方法を紹介しました。

これはあくまで一例であり、私の考えですので、ベストな方法だとは思っていません。

「全ての先生が無理なく学級活動に取り組めるようにするには、どうしたらいいのか」という考えから生まれた方法です。

この記事が誰かのお役に立てると嬉しいです。

この実践の続きである「学級会②」についても、次の記事で紹介したいと思います。