道徳の授業では、毎回「新しい価値を創り出す」ことを目標にしています。
「新しい価値を創り出す」とは?ということについては【新しい価値を創り出す道徳授業〜1年「きんのおの」で驚いた】をお読みください。
![](https://edublog45.com/wp-content/uploads/2020/10/きんのおのアイキャッチ-320x180.jpeg)
1年「ぷうたのやくめ」の授業
![](https://edublog45.com/wp-content/uploads/2021/11/ぷうたのやくめ.001.jpeg)
今回も、事前に道徳部のT先生からいただいた資料を読みました。
(T先生、いつも本当にありがとう)
平等には「絶対的平等」と「比例的平等」がある。
「絶対的平等」は、いつでもどこでも同じ基準で判断。
「比例的平等」は、その時、その場の実態や状況に合わせた基準で判断する。
この言葉をヒントに、授業を進めていきました。
導入
「ずる」や「いんちき」は…のあとに、どのような言葉が入るのかを聞いてみました。
「ずる」や「いんちき」は…
の続きを教えてください。
ダメ!
人に嫌なことをしている
恨まれちゃうよ
導入で「ずる」や「いんちき」は「なぜダメなのか」を押さえておくことで、展開部分で「ツッコめる」と考えたからです。
例えば、「人に嫌なことをしているのがダメならば、バレなければ嫌な思いはしないから、いいよね?」と、ツッコめます。
「恨まれる」という答えにも、「バレなければ恨まれないよ?」と問い返すことができます。
導入では、そういった言質をとっておくことを考えています。
つまり、「さっきはこう言っていたよね?」と切り返せるようにする、ということです。
とにかく…
全員が、「ずる」や「いんちき」はダメ!と答えました。
さすが1年生。素直すぎます。
展開
まずは資料を読みました。
資料の大まかな内容は以下の通りです。
くまのぷうた君は、ぞうおじさんから、「小さな子達に、このアメ玉を配っておいてね。1人3個ずつ配るんだよ」とお願いされます。
さっそく、ぷうた君は、小さな子達にアメ玉を配り始めます。
小さな子達が列をつくって待っている中に、隣に住んでいて仲良しの“リスのけんちゃん”の姿が見えます。
そこで、ぷうた君はこう考えます。
「けんちゃんにだけ、アメ玉を1つ多くあげようかな」
「誰にもわからないし、けんちゃんも喜ぶよね」
しかし、ぷうた君は、けんちゃんの後ろに並んでいる、たぬき君の笑顔を見て、踏みとどまります。
ぷうた君は、全ての小さな子達に3個ずつアメ玉を配ることができました。
最後は、ぞうおじさんにも褒められて、「みんな喜んでいたね」と言われて、おしまいです。
道徳で「資料の内容が理解できていない」という子どもは割と多いです。
そこで私は、子どもが「文脈を理解するために必要」だと思った3点を、吹き出しの掲示物にしました。
・1人に3個ずつアメ玉を渡すように言われた
・「アメ玉を1つ多くあげようかな」と考えた、ぷうた
・「誰にもわからないし、けんちゃんも喜ぶよね」と考えた、ぷうた
最初の発問は、こんな感じでした。
バレないんだから、誰も嫌な気持ちにならないよ?
(アメ玉を1つ多くあげたことが)
ここで残念だったことは(残念なのは私)、子ども達が
「バレるに決まっている」
「あとからバレる」
「必ずバレる」
という考えに終始してしまったことです。
私としては
しかし、この日も子どもに助けられました。
心の中に「いんちきの“かたまり”」ができちゃうよ。
ナイス!
ここから深めていきました。
子どもが黒板に絵をかいて、説明してくれました。
![](https://edublog45.com/wp-content/uploads/2020/11/ぷうた板書のコピー.jpeg)
子どもが、このようなマス目状のものをかきました。
“ずる”や“いんちき”をすると、マスが塗りつぶされていくのだそうです。
これが、心の中に増えていくと…大変!
というのが、子ども達の意見でした。
バレても、バレなくても、本当は「やっちゃダメ」なんだよ。
こんな意見もでてきました。
今回の道徳授業での新しい価値は
という感じですかね。
終末
最後は、一人一人にワークシートを書いてもらって、終了です。
今回は、「ずるやいんちきは、どうしていけないのか?」ということについて、意見を書いてもらいました。
私は、道徳の終末に書いてもらう質問欄は、空白にしています。
そして、授業をした中で、話題になった内容を書いてもらうようにしています。
ですから、問題文?質問欄?は、その場で子どもに書いてもらいます。
子ども達の、やる気と賢さに支えられ、なんとか日々の授業が成り立っています…(^_^;)
子ども達の可能性も引き出すために、もっとがんばらねば…p(^_^)q