学級活動

子ども一人一人の願いを叶える集会活動(答えは祭り型です)

新米先生

集会活動をする時、子ども一人一人のやりたい事が異なっていて、どれか1つに絞るのが難しいことがあります。

ポン太先生

そうですね。

そんな時は、むしろ1つに絞らず、一人一人のやりたい事を全てやってしまえばいいですよ。

新米先生

そんな事が可能なのですか!?

ポン太先生

「祭り型集会」なら可能です。

祭り型集会とは

事例1「係活動発表集会」5年生

この議題が出てきた背景は、以下のような感じです。

クラスの子

係活動の発表会をしたいな。

ポン太先生

どうしてですか?

クラスの子

活動のペースが遅くなってきているよ。

クラスの子

活動をする人も同じ人ばかりになっているし…。

クラスの子

やる事が少なくなってきたよ。

クラスの子

みんなに、もっと係の活動を見てほしいな。

ポン太先生

なるほど。

それでは、係の活動を発表する集会をして、お互いの係のよさを見つけたり、伝えあったりする活動をしましょうか。

そうすれば、係活動の「やりがい」が高まり、もっと活性化するかもしれません。

子どもの生活経験の中で、今回の係発表集会と同じような事がないかを考えました。

すると…ありました!

産業祭り!

以下のようなポスターを作成しました(私が)。

このような掲示物を作成し、「産業まつり」について教師から紹介しました。

企業の新商品や県産品のよさを「見て、味わって、体験して知ってもらう」ということが、今回の係活動発表集会と似ていることを確認しました。

産業祭りでは、うまく「よさ」を伝えられれば、企業は今後も商品を買ってもらえます。

係活動であれば、今後の活動が認知され、活性化するという事です。

係活動発表集会の、教室レイアウトはこんな感じです。

係ごとにブースを設け、紹介新聞、体験、ゲームなどを工夫して、係のよさを伝えます。

祭りのように、出店にお客さんが来て、体験やゲームをするような集会活動です。

これが、祭り型集会です。

一人一人の子どもが、確実に自分のやりたい事をできます。

つまり、「思いや願い」を叶えながら活動をする事ができます

学級会の板書です。

【めあて】係のよさを伝えよう!見つけよう!

【話し合うこと】係のよさを「伝える・見つける」ための工夫や約束をどうするか。

決まったこと

・パンフレットとスタンプラリーを作る(全ての係を回ってもらうために)

・係ごとに紹介ポスターを作る(もっと知ってもらうために)

・係のブースに来てくれた人に「アンケート」をとる(お客さんからも、よさや改善点を伝えてもらう)

事例2「なかよくなろうお祭り」1年生

これは、子どもの幼稚園や保育所での経験から出てきた議題です。

「お祭り」って、幼児期には多く経験しているようです。

こんな感じで、ボウリング屋さん、アクセサリー屋さん、レストラン…といった、様々な出店がでてきました。

【めあて】なかよくなる、優しくなる、友だちができる、お祭りにしよう。

【話し合うこと】めあてに向かって、どのような工夫をするか。

決まったこと

・みんなが楽しいお祭りにする(抽象的…)

・花火(紙で)を作って、ひもでつるす

・紙ふぶきで楽しい雰囲気にする

・他のお店の道具を勝手にさわらない

ちょっと物足りない板書に見えるかもしれませんが…

私としては、1年生なりにがんばったなぁという感想です。

短冊は、黒板記録の子どもが書いて、黒板にはっています。

「アイディア」「約束」と、カテゴリー分けしたのも、子どもです。

すごくないですか??

祭り型集会のメリット・デメリット

メリット

・子ども一人一人が「やりたい事」を確実にできる

・子どもの満足度が高い

・準備の時間を設定しなくても、自分たちで計画的に進めてくれる(実践への切実感が強いから)

・ブースごとに、工夫がたくさん考えられるので、一人一人の役割が充実する

デメリット

・一人一人が違う活動をしているので、様々な仲間との交流が生まれにくい(自分のグループのみ)

・集会時は教室内が騒がしくなりがち(隣のクラスの迷惑にならないよう注意)

・片付けが大変

終わりに

祭り型集会は、子ども一人一人の満足度が高まり、個々の良さを存分に生かすことのできる集会活動です。

集会後の振り返りの中で、子どもから

「あと1000時間やりたい」という感想がありました。

充実した時間であったことが伝わってきます。

また、祭り型集会は

「学級独自の工夫」が生まれやすい活動です。

年に1度くらいは、祭り型集会を実践してみては。