学級活動

子どもが本気になる学級会の方法(明日からできます)

新米先生

学級会って、イマイチ子どもが本気になっていない気がします。

ポン太先生

話し合いは難しいですからね。

子どもは「本気になりたいけれど、どうしていいかわからない」という状態だと思います。

新米先生

なるほど!

では、「どうしていいかわかる」のであれば、本気になりますか!?

ポン太先生

おそらく、ほとんどの子どもが本気になります。

他の原因もありますが、基本的には「技能的な問題」や「学習環境の不足」が原因だと思います。

「子どもから出された議題を扱う」ということは大前提だと思いますので、ポイントから除外しておきます。

今回の記事では

「子どもがすること」に絞って紹介します。

大切なことは

「一人一人の参加率参加したい)を上げる」ための具体的な方法を、先生自身が持つことです。

子どもが本気になって学級会に参加するためには、まずは以下の方法を取り入れてみましょう。

・「どのようにするか」を話し合う

・全員が発表する

・子どもにホワイトボードを持たせる

・キラキラタイム(子ども同士で「良さ」を共有)をする

明日からすぐにできる4つの方法

「どのようにするか」を話し合う

学級会で「いくつかの選択肢の中から選ぶ」ような話し合いを、よく見かけます。

これは「何をするか」を話し合っています。

学級活動は、「学級独自(オリジナル)の、工夫やルールを楽しむ」場でもあります。

つまり、ルールを楽しく工夫することで、ただの「鬼ごっこ」が

「世界に一つだけの楽しい鬼ごっこ」へと変化します。

ですから

「何をするか」は正直どうでもいいのです

何をすることになっても、子ども達の工夫とアイディアで、「この学級だけの最高な遊び」へと変えていくことができます。

しいて言うならば、「“何をするか”は、なるべくシンプルなものの方が、工夫がしやすい」です。

そして、何よりも問題なのは

「何をするか」を話し合うと、学級に「対立構造」が生まれる

ということです。

しかも、発表が苦手な子や、あまり目立たない子は、話し合いに参加することもできません。

対立構造の話し合いは、意見のぶつかり合いです。

怖くて参加できない子がいて当然なのです。

ところが、「どのようにするか」を話し合うと、どうでしょう。

「どのようにするか」は工夫や約束、ルールの話し合いになります。

【鬼ごっこをするのであれば】

・足の速さに関係なく、全員が楽しめるルールにしよう

・疲れた時に休める場所をつくろう

・仲良くなるための工夫をした遊びにしよう

・タッチは優しくしよう

・タッチされたら、相手に何か質問しよう

・優しい言葉遣いや態度で参加しよう

・「ありがとう」が増える会にしよう

などなど…まだまだ、かなりの工夫や約束、ルールが考えられます。

そして、基本的に全て採用できるものばかりです。

可能であれば、全ての意見(アイディア)を取り入れればいいのです。

「もっと楽しむためには、どのようにするか」

「もっとめあてを達成するためには、どのようにするか」

「どのようにするか」を話し合うと、アイディアをみんなで出し合っていく、「足し算の話し合い」になるのです。

「何をするか」を話し合うのは明らかに「引き算の話し合い」です。

「どのようにするか」を話し合う方法については

【ワクワクする楽しい話し合い活動】の記事でも、詳しく紹介しています。

興味がある方はお読みなってください。

ワクワクする楽しい話し合い活動(学級会) 子どもがワクワクしたり、「楽しい」と感じる活動とは、どのようなものでしょうか。 それは、 子どもが「自分で必要だと感じ、何...

全員が発表する

全員発表が形式的になってしまっては意味がありませんが…

でも、最近では形式的でもいいから、全員発表の機会をつくった方がいい、と考えています。

特に高学年においては、「発表したいけれど、自分からはできない」という場合があります。

また、話し合いの内容が難しくなってくると「意見を言うタイミングがなくなった」と言う場合もあります。

・子どもは「1回くらいは意見を発表したい」と思っています

・学級会の序盤で「発表のタイミング」をつくってあげた方がいいです

・学級会の後半では、話し合いの内容が難しくなっている場合、「意見を言えない」子が多くなります

そこで、

学級会の最初に「全員発表」の時間をとる

最初は意見が言いやすいです。

まだ意見の練り合いもしていないので、おそらく質の高い意見も出ておらず、ハードルが低いのです。

「最初は1人ずつ全員発表してね」

と事前に伝えておけば、子ども達も心の準備ができ、緊張感も高まります。

また、

「学級会では全員が意見を言うものだ」という意識を育てることもできます。

いずれにせよ、全員が1回は発言しておくと、子どもは「参加している」という気持ちが強くなり、「本気度」も増します。

子どもにホワイトボードを持たせる

これはめちゃくちゃオススメです。

学級会カード、学級会ノートなどを持たせる場合も多いと思いますので、それはそれで持たせていいと思います。

子ども達へは

全員に1人1個のホワイトボードを持たせる

(百均でOK)

ノートへ書くのもいいのですが、ホワイトボードはすぐ消せる安心感もあり、子ども達は大好きです。

学級会は「話し合い活動」ですが、それと同時に「書く活動」も取り入れていきましょう。

「書くことが得意な子」も「話すことが得意な子」も、どちらも輝く授業になります。

こんな感じで

「書きながら考える子」も学級にいます

書くのが得意な子の「本気度」は確実に高まりますよ。

話し合いの内容を可視化できるので

子どもの理解度も高まります。

キラキラタイムをする

これは、子ども同士で「良さ」を共有する時間です。

つまり、仲間の「良さ」を発表し合う時間です。

子ども達には、次のようなことを見つけるよう、伝えておきます。

・がんばっていた仲間

・「いいなぁ」と思った発言

・「いいなぁ」と思った態度

このような仲間の「良さ」を見つけて、学級会の最後に発表し合うのです。

私の学級では「キラキラタイム」とよんでいました。

キラキラタムは、子どもに人気の時間で、休み時間になってもこの時間を続ける場面もありました。

私が「もう時間だから後にしよう」と言っても「え〜!やりたい!」と、6年生でも言っていました。

仲間の「良さ」を伝え合う時間は、とても温かい空気になります。

子どもにとっても心地よい時間なのだと思います。

また、この時間には素晴らしい効果があります。

普段発表が苦手な子も、「仲間の良さ」なら安心して発表できる

実際にやってみるとわかりますが、キラキラタイムは、多くの子どもが発表します。

「仲間の良さを伝える」のは、誰からも責められませんし、仲間を喜ばせるような行為です。

だから、発表が苦手な子も安心して発表します。

やっぱり、子どもは「発表したい」のだということがわかります。

先生からも意味づけ・価値づけをする

これは「おまけ」です。

先生からも「今日の学級会でよかった場面」を発表すると、さらに効果的です。

先生が「こんな仲間が増えてほしい」「こんな場面が増えてほしい」と願うことを、伝えましょう。

先生が価値づけることの例

・普段あまり話さない子が発表した

・司会グループが互いの仕事をフォローし合っていた

・司会が「話し合いについていけない子」を、置いてけぼりにしないように工夫した

・やわらかい言い方をした

・温かいプラスのつぶやきがあった

・反対意見を言うときに「〜さんの意見はすごくいいのだけれど…」と、受容的な態度が見えた

・聞き方の素晴らしい子がいた

伝えるときは、具体的に場面の様子を話し、「素敵だと思った」「すごいなぁと思った」と驚くだけで十分です。

「もっとそういう人が増えるといいな」とか「これをお手本にしなさい」的な雰囲気が伝わると逆効果です。

せっかく自治的な活動をしてるのに、「先生の介入が大きい活動」となってしまうので、注意してください。