はじめに
1年生での初めての学級会。
板書では第2回学級会となっていますが、第1回学級会では、学級会の進め方のオリエンテーションをしたので、本格的な学級会は今回が初めてです。
これまで高学年しか担任をしたことのない私にとってはドキドキの1時間でした。そして確信できたことがあります。
やっぱり
話し合い活動の進め方や本質は、どの学年でも変わらないということです。
子どもの経験値によって内容の深まりに差はありますが、一生懸命に考える子どもの姿はむしろ低学年の方がすごいかも…と感じました。
ですから、高学年と同じような流れで話し合いを進めてみました。
45分という授業時間の使い方は、低学年の場合は少し工夫が必要なので、それについては後述します。
合言葉にしたいキーワードを出し合う
低学年の場合、はじめは先生が司会や黒板記録などの役割を全て担います。
でも今回の学級会では、途中で子どもから「やりたい!」という声があがったので、「短冊に磁石を貼り付けて黒板にはる」という役割を2人の子どもにやってもらいました。
合言葉のキーワードは直接黒板に書くのではなく、はじめから短冊に書く方がオススメです。
あとから移動させたり、分類したりする作業がしやすいからです。
出てきたキーワードを分類する
こんな感じで、
どれとどれが同じような意味なのか…ということを子どもと確認しながら、似たものを分類していきました。
先生は「じゃあ、これとこれは同じということでいい?」と、そのつど確認していけばいいと思います。
ここで、議題とめあてについて確認します。
では、キーワードの分類の話に戻ります。
似たようなものがないキーワード(この板書では「なかよく」などです)は、即決定でいいと思います。
子ども達に「これは似たようなものもないし決定でいい?」と確認をします。ここで大切なことをお伝えしますが…
ということがオススメです。
なぜなら、
1年間の目標として設定している合言葉に、自分の考えたことが入っていない…なんてことになると、子どもの意欲は下がるはずです。
そうなっては、「合言葉のようなクラスにするためにがんばるぞ!」という気には、なれないのではないでしょうか。
ですから、分類して似たようなものはまとめながら、全員の思いがこもった合言葉にしていきます。
「比べ合う」活動はどこだったのか
この学級会で、一番の議論となったのは「助け合う」「助け合える」はどちらがいいのか?ということでした。
「助け合う」は短くて覚えやすい、という意見でした。
「助け合える」はなんとなく“優しい感じがする”という意見でした。
1年生って本当に面白いことを言うなぁと感じました。
ここはなかなか折り合わず、白熱した議論となりました。
ちなみに、学級会の序盤でもこの議論が始まりそうだったので、私から
「これは時間がかかりそうだから、あとから話してもいい?」と言って、最後の方に回しました。
そうすることで、時間いっぱいまで話し合うことができます。
結局最後まで折り合わず、「じゃあもう時間だから多数決にしてもいい?あとから文句を言うのは無しだよ。まだ何か言いたいことがある人はいる?」と切り出して、多数決の約束についてもいくつかの確認をしました。
そして、いよいよ多数決をしようとした時…
ある女の子が、「別に、自分が言いたい方で言えばいいんじゃないの?」とつぶやきました。
子ども達からも思わず「おぉ〜」「そうだね」の声。
というわけで、このキーワードについては「自分が言いたい方で言う」ということに決定しました。
いや〜、子どもって本当にすごい!大人の想像なんてすぐに超えていきます。
45分の授業時間の進め方
1年生の場合は、話し合い活動だけを45分間続けると、どうしても疲れてしまいます。
学級会って、すごく難しい学習なのです。
頭をフル回転させないと、間違いなく話し合いについてこられないはずです。
ですから、
学級会の中には必ず10分〜15分程度の実践活動を入れたほうがいいと思います。
つまり、決まったことをさっそく実践してしまうわけです。
そこで、この授業でも
最後の10分間は「自分が好きなキーワードを選んでネームプレートをはる」という活動をしました。
そして、キーワードを選んだあとは「そのキーワードに合ったマークやイラストを描く」という活動もしました。
もちろん、2つも3つも描きたい子もいるので、それもOKです。
掲示物はこれから作成しますが、それぞれのキーワードのそばには、子ども達が考えたマークやイラストがたくさん並ぶ感じになるはずです。
おわりに
1年生の学級会で感じたことは、やっぱり1年生ってすごい!ということです。
答えを出すことが困難だと感じる課題であっても、自分達の力で解決できるのです。
多様なアイディアや工夫を考えられるのです。
それは、はっきり言って大人の予想をはるかに超えています。
もしかすると、高学年よりも1年生の方が、素朴な気持ちで納得のいく答えを出せるのかもしれません。
今回の授業も驚きと感動がありました。
すごい1年生達がもっと楽しめるように、私もがんばらねば!