学級経営

学級経営を学び直す1

学級経営って難しいなぁと、今頃になって実感。

自分自身の年齢が子ども達とどんどん離れていくので、その分、学級経営も難しくなるのかなぁ…とも感じます。

今年度は初の1年生を担任して、自分に足りないもの、苦手なことがはっきりと見えました。

私の苦手は以下のようなことです。

「私も同じ」と感じる方には、この記事が役にたつと思います。

私が苦手なこと

・生活指導(しつけ、なども)

・子どもを静かにさせること

・1年生に届く言葉を使うこと

私は、これまで高学年の担任ばかりをしてきました。

1年生を担任したことで、これまで

高学年の子ども達の力に頼りっぱなしだった自分」

に、気がつきました。

私の、これまでの学級経営観

「命に関わること」

「人権に関わること」

以外は、特に指導は必要ない。

それ以外の約束やルールは、子どもが必要だと感じた時に、その都度話し合って決めていけばいい…と思っていました。

ですから、4月は学級がガチャガチャ?していました。

そして、何か問題が起きたり、課題を感じたりした時に、みんなで話し合っていく、というスタンスでした。

どのような問題が起こるかは、その年の学級の実態によります。

良く言えば、「学級や子どもの実態に応じた指導をしている」と言えます。

悪く言えば、「場当たり的な指導をしており、先生の見通しがない」と言えます。

正直、このような場当たり的な指導では、1年担任は務まらない

と感じました。

1年生の担任には

「段取りと見通し」

が特に大切であることを痛感しました。

これは子どもの問題というよりは、子どもの発達段階に応じた対応です。

必要な段取りを先生が行い、見通しをもって学級経営をしなければ、1年生は混乱するのです。

1年生にとって、

「自分たちで考えよう」

には限界があり、特に生活面については、「先生がして欲しいこと」があるのであれば、明確に示しておく必要があると感じました。

共通のルールや約束が明確に共有されているからこそ、子ども一人一人が、安心して自由に学べる。

そういったことに、初めて気づけたのです(お恥ずかしいですが…)。

「ルールや約束を初めから決めるなんて、子ども主体とは言えないのではないか」

と、私は思っていたのです。

それは逆で、

「ルールや約束があるからこそ、子どもは主体的に動ける」

のですね。

ルールが何もない状態は、ただの無法地帯です。

安心して学ぶことができません…。

学級経営を学び直す

とりあえず、学級経営を「学び直そう」と思いました。

学級経営に関する本を読む

学級経営に関する本を、まずは5冊を目標に、読んでみようと思います。

5冊読む中で、学級経営に大切な共通項が見えてくることを期待しています。

1冊目は、この本にしました。

参考・引用文献は以下の通りです。

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)

世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」

東洋館出版社

この本を読んで、私が実践したいと思ったことを書きます。

この記事は、「自分自身のアウトプットと記録」のために書いているので、もし参考にならないようでしたら、すみません。

前向きな期待をする

進級時、黒板などに「歓迎の言葉」を書くことは、どの先生もやっていますよね。

ですが、この本を読んで感じたことは、

「1年間を通じて、子どもに大切にして欲しいことを示す

ということの、大切さです。

つまり

「これからの1年に対する前向きな期待」

です。

これは、はっきりと示していいのだと思いました。

私は、以下のような掲示物を作り、いつでも見える場所に掲示しようと考えています。

私たちは、みんなで一緒に学びます。

ふわふわ言葉を使い、お友だちの「そのまま」を大切にします。

誰かの嫌がること、迷惑になることはしません。

また、前向きな期待をかなえる5つの概念を紹介します。

■前向きな期待をかなえる5つの概念

1 名前で呼ぶこと

2 〜してもらえる?/お願いします、を言うこと

3 ありがとうを言うこと

4 笑顔(微笑むこと)

5 愛情(思いやりとあたたかみを持つこと)

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p87

ちなみに、

「教師が子どもに前向きな期待を持つ」

ことで、子どもの学力が飛躍的に伸びることは、60年以上前のハーバード大学の研究でも明らかになっています。

授業で優先すべきこと

すぐに課題に取り組んでもらうこと

授業が始まってから、以下のような発言をしたことはないでしょうか?

「さて、昨日は何をしたっけ?」

「ええと、教科書の何ページかな…」

「ちょっと準備するから待っててね」

「(子どもから)先生、今日は何するの?」

「授業が始まったとき、最も優先すべきことは子どもに作業をさせることである」

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p160

「作業をさせる」という表現は気になるところですが、

「何かしらの活動から授業を始める」

という考え方かなぁと思います。

次の3つの条件が整えば、子どもは授業が始まったらすぐに課題に取り組みます。

1 課題がある

2 どこを見れば課題があるのか、わかっている

3 どうして課題に取り組むのか、わかっている

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p162

プリントを準備する、でもいいと思いますが単調ですよね。

・音読をする

・漢字練習をする

・もの作りをする

・絵を描く

など、様々なレパートリーがあってもいいと思いました。

大切なことは

「授業の始めは、自分たちで活動に取り組む時間」

という認識が、子どもに根付くことです。

そうなると、先生にも余裕が生まれるのではないでしょうか。

急な生徒指導対応で、教室に行けない時もきっとありますよね。

他の子どもの意識をそらせない

「大切なことは、他のこどもたちの意識をそらさないこと」

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p245

本の中では、

「授業を中断せずに、教師の注意をひく方法」

について5つ紹介されています。

興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

その中で、私が取り入れたいと思ったのは

「手信号」

です。

・発言があるときは、人差し指を立てます。

・席を離れたいときには、指を2本立てます。

・手を貸してほしいときは、指を3本立てます。

・トイレに行きたいときには、指を2本交差させます。

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p245

私なりに、これをカスタマイズして使いたいと思いました。

・発言があるときは手を挙げる

・手を貸してほしいときには、指を2本立てる

・聞きたいときは立ち歩き、ささやくように話す

・トイレは静かな声で先生に伝え、一人ずつ行く

・「助けて」という声には進んで協力する

以上のことを、子どもと確認しようと思います。

こういった方法は、何となく「管理主義的」に感じるので、私は敬遠していました。

しかし、やってみないことには、その良し悪しはわかりません。

子どもの助けになるかもしれませんし、まずはやってみようと思います。

音量を下げる

クラスの音量レベルを知らせるのに、

「交通信号を使う」

という例が示されていました。

「静かに」は赤、「ささやき声」は黄色、「自由なトークタイム」は青、と使い分けます。授業中はクラシック音楽をかけます。子どもたちの話し声が、音楽よりも大きくならないようにします。

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p287

信号の横には、移動式の矢印マークがついており、

「今はこの信号だよ」

ということを、矢印で示せるようになっています。

「教室内の音量が低い」ことが、私は個人的に好きなので、これもまずはやってみようかな、と思います。

仲間の声が「聞こえない」教室は嫌ですよね…。

手順を教えること

■手順を教える3つのステップ

1 説明する:手順を伝え、説明し、手本を示し、実演してみせる

2 練習する:あなたの指示のもと、手順を練習する

3 強化する:再度教え、練習し、教室の手順が子どもの習慣として定着するまで強化する

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p230

手順を教えるステップについては、先生にとっては当たり前のことかもしれません。

しかし、困った時こそ

「基本に立ち返る」

ことが大切です。

ちなみに、「強化」とは叱責することではなく、むしろ「褒める」ことを指しています。

子どもたちを静かにさせる手順

1 そのときに、していることをやめます。

2 先生のほうを見ます。集中して、先生から目を離さないでください。

3 先生の言うことをよく聞きます。先生には話があるからです。もう一度言います。お手本も見せますね。

ハリー・ウォン/ローズマリー・ウォン(2017)「世界最高の学級経営-成果を上げる教師になるために」東洋館出版社 p239

このような手順も、当たり前かもしれません。

しかし私にとっては

「丁寧に子どもと向き合っている先生の手順」

だと感じました。

「子どもにしてほしいことがある」

場合は、

「それをわかりやすく、優しく伝える」

という技術が必要なのだと思いました。

そして、何度も言いますが…

「ルールが明確にあるからこそ、子どもは安心して自由に学べる」

ということです。

それは、決して子どもの主体性を奪うものではなく、むしろ主体性を助長させるためのものです。

最後に…

学級経営について、たくさんの示唆と気づきを与えてくださった、著者と著書に感謝です。

ありがとうございました。