学級会では「事前の活動」が大切だと言われていますよね。
事前の活動で、「学級会の8割が決まる」と聞いたことがあります。
そうですね。
事前の活動をすることで、学級会の内容は深まるかもしれません。
しかし、ここに時間をかけすぎるために、「子どもの意欲が下がる」、「先生も学級会をするのが面倒になる」という問題もあります。
たしかに…。
事前の活動をする時間はなかなか無いし、大変そうなイメージがあります…。
学級会の前には、「事前の活動をしなければならない」という思い込みが、先生達の「学級会離れ」を招いている気がします。
ですから、私からは「事前の活動をやめよう」という提案をしたいと思います。
そんな事が可能なのですか!?
可能です。
一緒に考えていきましょう。
学級会で「事前の活動」をやらない方がいい理由
以下のような理由で、先生や子どもが「学級活動離れ」になってしまうため
・事前の活動をする時間がとれない
・事前の活動のやり方がわからない
・事前の活動が大変そうなイメージがある
・子どもに「事前の活動をさせる」ために、子どもの休み時間などを奪ってしまう
ただし、勘違いをしないで欲しい事があります。
私が「事前の活動をしない方がいい」と主張するのは、
全ての学級で「週に1回の学級活動の授業を完全実施して欲しいため」です。
「事前の活動」のハードルが高いために、学級活動の実施ができないのであれば、事前の活動は無くしてしまおう、ということです。
学級活動が大好きで、ノウハウも持っているのであれば、事前の活動に取り組めばいいと思います。
しかし、働き方改革がさけばれる現在の教育界です。
先生方の「余裕」を生み出すためにも、個人的には「事前の活動はやめよう」という提案をしたいと考えているのです。
事前の活動って何?
そもそも、「事前の活動」とは何でしょうか?
今や「学級活動のバイブル」となった、「特別活動指導資料」を見てみましょう。
特に学級活動⑴の「事前の活動」が大変と感じている先生は多いと思います。
学級活動⑵で、アンケートを実施したい場合だけは、事前の活動がどうしても必要になります。
アンケートだけは、宿題などでやってもらってください。
事前の活動をやめた「学級会の方法」
今回の記事では、先生方が特に大変だと感じる
「学級活動⑴」に特化して書きます。
普段の授業と同じように考える
他教科の授業で、子どもが「授業時間以外で授業の準備を進める」ということは、あるのでしょうか?
本当に子ども達が進んで行っている、主体的な活動であれば、問題ないと思います。
例えば、係活動などは問題ないと思います。
しかし、事前の活動は、先生の適切な指導のもとで行われる活動であり、必ずやらなければならない活動です。
子どもにとっては「司会グループにあたったら必ずやるべきこと」なのです。
たいていの子どもは、司会グループができることを喜ぶはずですので、おそらく休み時間を使っても、文句は言わないでしょう。
しかし、働き方改革もありますし、胸をはって説明する方法として…
私はここ5年ほど、この方法を研究し、実施しています。
1年生、4年生、5年生、6年生の学級担任として実施してきたので、おそらくどの学年でも大丈夫です。
週に1回、確実に授業をする
この方法を可能にするためには、週に1回、確実に授業を行う必要があります。
なぜなら…
つまりこういうことです。
先生が中心となって進める
・問題の発見
・議題の決定
・めあてを決める(この議題に取り組むことで、学級の姿がどう変わり、どのような生活改善を願っているのか)
・集会の種目など、「何をするか」を決める
・来週の学級会で「話し合うこと」を決める
・決まったことを、来週まで掲示しておく
司会グループ(子ども)が進める
・「どのようにするか」といった、工夫や約束、ルール、アイディアを創り出す話し合いをする
・実戦に向けての役割分担を決める
・計画委員会はしない(司会が苦しい時は、先生も一緒になって学級会をフォローすればいい)
・学級会前の準備時間(10分くらいはありますよね?)に、司会グループと簡単な打ち合わせをする
実行委員会(子ども)が進める
・「何のためにするのか」という、“めあて”や“提案理由”を再度確認してから、実践を始める
・活動の「振り返り」の時間は必ずとる(アンケートでもOK)
このような感じで、3週間かけて1つの議題を扱います。
「事前の活動の準備ができていないから、今週の学活は来週に延期しよう〜っと…えへへ」という経験はありませんか?
私は何度もあります。
それなら、いっそのこと
「事前の活動」の時間を、授業で1時間とってしまった方が効率的ではないでしょうか。
そのままズルズルと、引き伸ばしてしまう可能性だってあります。
先生は本当に忙しいですから…。
1時間で終えると考えない
学級会は1時間で終えるもの、というイメージがあります。
確かにその通りです。
週に1時間しかない、貴重な時間ですから…。
しかし、そういった既成概念が、先生方の「学級活動離れ」を生んでいるのではないかと考えるのです。(しつこいようですが…)
学級会や学級活動が「難しい」「面倒な」「ハードルの高い」教育活動になってしまっている、現状があると思うのです。
これくらいの気持ちでいいと思います。
でも、子ども達は早く実践がしたいので、おそらく「来週もう1回話し合う」ような学級会にはしないはずです。
子ども達は、一生懸命に、時間内で決めようとしてくれます。
私の実践でも、同じ内容を2回話し合うのは、年に1度くらいです。
「クラスの合言葉をつくろう」とか「(かなり盛大な)集会活動をしよう」といった議題は、2回になる場合がありました。
他にも具体的な議題の流れが知りたい方は
【幸せな学級づくりを目指して】の記事も読んでみてください。
「話し合い→実践」という概念を捨てる
学級活動では、実践をやる前にじっくりと話し合い、全員でアイディアを出し合うことで、充実した実践ができる…と考えられています。(多分)
つまり、実践の前には必ず学級会があるわけです。
そうではなく
集会などをする際は、集会の種目を「学級活動で一度やってみる」ということから、始めてみてもいいと思います。
特に、
子どもによって「経験値の差が大きい」ような種目は、ためしに一度やってみることをオススメします。
「お祭り集会」や「出し物大会」などは、個々の経験値にかなりの差があります。
子どもにとって馴染みのある、ドッジボールや鬼ごっこでさえ、全員でやってみると様々な課題が見えてきます。
簡単な例であれば、
「全員でやると退屈な人が出てくる」
「ボールを怖がる人もいる」
「特定の人だけが楽しんでいる」
「ムキになって楽しめない場面がある」
「普通のルールだと楽しめない人がいる」
などなど…
学級の実態によって、課題は様々です。
課題が見えることで、子ども達は「話し合って解決したい」という思いが強くなります。
そうすることで、「解決したいこと」が焦点化された、誰もが参加しやすい学級会にも、つながると思います。