日々の実践

私を窮地から救った言葉

はじめに

1学期が終わり…私の「1年生の先生になった当初は大変だったシリーズ」(笑)の記事も、これが最後かと思います。

同じような思いをした先生って、きっといるのではないかなぁと思っています。

学級の子ども達が全然落ち着かなくて、特別な支援が必要な子がすごく多いのではないか…と錯覚をしたほどでした。

でもそれは、私の心構えや、子どもの見え方が未熟なせいでした。

窮地から救った言葉

1年生の先生になって大変だったことは…他の記事でもたくさん書いてきましたので、ここでは割愛させていただきます。

学級づくりの初期の段階で私を救ってくれたのは、

「マイナスの行動をしている子どもに注目しない」という言葉でした。

これは、上越教育大学の赤坂真二先生の著書に書いてあったことです。

私は赤坂先生の著書が大好きなので、この言葉は新しく知った言葉ではありませんでした。

様々な著書の中で、赤坂先生はこのことをおっしゃっています。

私も、とっくの昔に理解したつもりでいました。ですが、本当の意味では実践できていなかったのです

「マイナスの行動をしている子どもに注目しない」というのは簡単に言うと、

安全面に問題がなく、他者に迷惑がかかっていない行動であれば、「子どもの問題行動をスルーする」ということです。

これは学級にそういった子が1人や2人であればスルーできますが、それ以上いるとなかなか難しいのです。

実際に私がそうでした。なぜそうするのか、そうすることでどのような効果があるのかは、参考文献を書いてありますので、実際に書籍をお読みになってください。

結果的に、その通りにすることで、私は学級崩壊をまぬがれました。

それどころか、

学級はどんどん落ち着いていき、問題行動(先生にとって都合が悪い行動、ということですが)も不思議と目立たなくなっていきました

つまり、減っていったのです。

それどころか、問題行動を起こしていた子ども達が、他の子ども達と同じようにマナーを守り、がんばる姿が多く見られるようになりました。

子どもはなぜ変わったのか?

では、問題行動を起こしていた子ども達は、なぜ変わっていったのでしょうか。

このことを詳しく書いていくと、もの凄く長文になってしまいますので、自分が実感した主なことだけを書きます。

どのように支援していったのか、ということを大まかに、時系列で書いていきます。

問題行動を起こしたい子どもは1人もいない

問題行動を起こしたいと思う子どもは、きっと1人もいません。

問題行動が起こった場合、

「適切な行動の仕方がわからない」「どうやって関心を集めればいいのかわからない」ことがほとんどの理由だと思います。

子どもは“素敵な人間になりたい”、“みんなと一緒に楽しく過ごしたい”と思っているのに、叱られたり注意されたりすることが続くと、がんばるエネルギーが無くなってしまいます。

自分の行動にますます自信が持てなくなり、学校生活に不適応を起こしてしまいます。

だから、

学期当初は「マイナスの行動に注目しない」ようにするのです。

初めのうちはどうしても気になってしまい、私も上手くできませんでしたが、「やるぞ!」と覚悟を決めると、迷いがなくなりました。

適切な行動をした時にほめる

次に、マイナスの行動に注目しない代わりに、

プラスの行動」「適切な行動」にはとことん注目し、反応を返します

「○○さん、時間を守って席について素晴らしいね」「○○さん、もう授業の準備ができている、すごいなぁ」「お友だちにこんなに優しい言葉をかけてあげるなんて、素敵だね」といった感じで、学級で大切にしたい行動や態度を、どんどん褒めていきました。

そして、問題行動の気になる子が、

少しでも適切な行動をした瞬間…これだけは決して見逃してはいけません。

その場ですぐにほめます、認めます。

「おっ、昨日よりも○○が早くなったね、成長してるなぁ」「すごい!○○さん、一生懸命にノートを書いてる」「そうじ、がんばっているね」など、何でもいいのです。

子どもは誰でも必ず適切な行動をしています。

それが目立たないだけなのだと、気づくことができました。

先生も一緒に作戦を考える

ここまで来てもまだ問題行動が残る場合、きっとそれは

子ども自身も課題に感じていて、どうすればいいのか困っている場合が多いです。

そこでようやく個別対応です。

指導ではなく、一緒に“作戦”を考えます。

「ねぇ、授業の時間に間に合うように、教室に帰ってきたいと思っているでしょ?一緒に作戦を考えてみる?」「集中してお勉強するための作戦を考えてみたい?」「机の周りをきれいにしたい?じゃあ作戦を考えようか」といった感じです。

子どもは常に一生懸命に今を生きています。

どうしていいかわからない自分の気持ちや状態に、寄り添ってくれる先生のことを、きっと信頼します。

安心感も高まり、気持ちも落ち着くはずです。

終わりに

こんな感じで、私の学級は少しずつ落ち着いていきました。

いや、急速に落ち着いたのかもしれません。

なんといっても、1学期は2ヶ月間しかありませんでしたから。

問題を起こしたいと思っている子どもは1人もいません。

迷惑をかけたい子どもも、がんばりたくない子どももいません。

子どもは1人残らずみんな、前進したい、もっと伸びたい、愛されたいと思っています。

そう強く願った結果、マイナスの行動でしか表現する方法が思いつかない時もある、と考えています。

それは子どもにとって、とても辛いことです。

子どもの向上心を信じ、「あなたほどの人がどうしたの?何か困っているの?」という気持ちで、いつも子どもに向き合いたいなぁと感じました。

【参考文献】
赤坂真二(2015)『マンガでわかる!「気になる子」のいるクラスがまとまる方法』学陽書房