学級経営

先生が子どもから「信頼」される方法は「日記」です

なぜ日記で信頼されるの?

以前他の記事で、子どもから信頼されるには、「先生は私のことを知ろうとしている。私を見ている。私に関心がある」と、子ども自身に思わせることが大切だと書きました。

そのことと深い関係をもつのが日記です。

日記は「子どもとつながるため」にとても大切なものです。

先生の1日は多忙ですので「クラスの全ての子どもと毎日話をする」ということは、ほぼ無理ではないでしょうか。

だからせめて

「日記で毎日子どもと話す」つまり「日記を通して毎日コミュニケーションをとろう」と考えています。

ですから日記は「何のために書くのか?」ということを、子どもと一緒に確認した方がいいと思います。

私ならこんな風に子どもに伝えます。

「先生はみんなのことをよく知りたいし、みんなが何を考えていて、何をがんばっているのか知りたいなぁ。でも、毎日全員とお話しするのは無理かもしれないよね。だから日記で教えてくれないかな。先生とおしゃべりするつもりで、気楽に書いてきてほしい」

私ならこんな感じです。

日記には気をつけることもある

とはいえ、日記には気をつけた方がいい点もいくつかあります。

いくつかの点に気をつけることで、子どもとの信頼関係づくりやコミュニケーションの促進につながり、日記によるトラブルも避けることができます。

今回は3点あげました。1つずつ説明していきます。

作文指導には使わない

例えば、日記の中で子どもが漢字を間違えて書いたり、おかしな文章を書いたりすることがあります。

先生ですので直してあげたいですよね。

しかし、直してしまうと、子どもとしてはなんだか日記もただの「宿題」や「テスト」みたいなものに感じてしまい、少しプレッシャーです(それもいいかもしれませんが…)。

そして

「気楽に先生と話す」という趣旨からは外れてしまう気がします。

ですから、作文指導的なことは授業の中でやってもいいのではないでしょうか。

ついでにやってしまいたい気持ちもわかります。

そんな時私は、

コメントの中で子どもが間違えた漢字を「さりげなく使う」ようにしています。

つまり

「正しい漢字を見せる」ということです。

もしかしたら「あ、漢字間違えてた」と気がつく子もいるかもしれません。

保護者へも「日記の趣旨」を説明しておくと、「先生は漢字の間違いに気がついていないのかな」という誤解も避けられます。

あとはせめて、おかしな漢字や文章に薄く○をつけたり、線を引いたりするくらいでしょうか…。

とにかく

楽しく日記に取り組んでほしいということです。

日記のお題は先生が決める

日記のお題が「自由」なことも、たまにはいいと思いますが、基本的には先生が決めた方がいいと思います。

「自由」だと書き手も相手意識や目的意識が高まりませんし、毎日同じことを日記に書いてくる子も出てきます。

先生は子どもの様々な顔を知りたいはずです。

日記にも先生なりの意図を持って取り組んだ方がいいかなぁと思います。

日記のお題としては…

・今日の授業の振り返り
(体育、算数、道徳…など何でも)

・行事に関すること
(運動会への意気込み、合唱祭を終えて…など)

・今日の「ある出来事」について感じたこと

・週末の出来事

・雨の日に思うこと

・最近ハマっていること

・先生へのお願い

とにかく1年分くらいのお題はいくらでもあります。

先生が子どものことで「知りたいこと」をお題に出すといいと思います。

コメントは必ず書く

子どもは、

その子なりに一生懸命に日記を書いてきます

その日記に対して○だけ、サインだけ、というのは少し物足りない気がします。

いつも同じようなコメント(よくがんばりました、とか)も避けたいところです。

コメントの書き方は個人的にすごく大切だと思っているので、このあと詳しく書きます。

コメントの書き方

必ずほめる

子どもの「がんばっていること」「良い性質(性格?)」などを日記の中から読みとって、ほめるようにします。

子どもは日記を書くたびにほめてもらえることで、

書くことが楽しくなり(文章を書くことが好きになるかも)、自分への自信がもてるようになります

自分のよさにも気づきます。

人との関係づくりはまず「相手のいいところを知る」ことからだと、個人的に思っています。

大げさな位でちょうどいい

日記は文章ですので、面と向かって言われると照れくさいことも、堂々と伝えられるチャンスです(特に高学年には有効)。

言葉を選びながら、爽やかな文章で思いっきりほめるように意識しています。

できるだけ敬体で書く

これは先生のキャラにもよるかと思います。

子どもは気楽に書いてくれていいのですが、私たちは先生です。友達のような文章が、日記のコメントとして目に見える形で残ると、時々トラブルや誤解を招くことがあります。

気になってしまう保護者もいるかもしれません。

敬語とまではいかなくとも、丁寧な言葉でお手本となる文章を書く方が無難かなぁと思います。

キョリ感を大切にする

これも先生のキャラによりますが、あまり馴れ馴れしい文章や子どもと近すぎる文章表現は、子どもの方がひいてしまうことがあります。

子どもとの親密度は意識した方がいいかな、と思います。

また「○○さんのことが好きです」と言うよりも「○○さんの〜な行動(心)が好きです」と伝える方が、誤解もなく子どもにはうまく伝わる気がします(特に高学年)。

“I”メッセージで伝える

コメントは「私(先生)は」を主語にして伝えると、子どもの心に響く気がします。

「先生はとてもうれしかったです」とか「先生はとっても助かりました。ありがとう」みたいな感じですかね。

先生が喜んでくれたら、子どももうれしくなるはずです。

終わりに…

子どもとつながり、信頼されるための方法はたくさんあります。

日記はその中でも特に取り組みやすい方法だと思います。

コメントを書くのは大変だと感じるかもしれませんが、毎日やっていると慣れてきます。

するとすごいスピードで読み、コメントを返すことができるようになります。

私は1人30秒でコメントすることを目標にしているので、30名の学級なら15分で終わります。

気になる事があった子に対して「今日はこの子にはしっかりと長めのコメントをしよう」という時もありますが、それは1日に1人か2人です。

毎日15分で子どもの気持ちや背景を知ることができ、しかも「信頼」につながるのですから、こんなに素敵なことはありません。