クラスの歌って何?
これは「クラス目標」をイメージしてオリジナルの歌をつくる活動です。
オリジナルと言っても、いわゆる「替え歌」が一般的です。
つまり歌詞だけオリジナルにするということです。
作曲からやるとなると、かなりの技術と時間が必要です。
もちろんできる方はトライしてみると素敵です。
クラス目標を歌で表す活動を通して、クラス目標への認識やイメージはさらに深まっていきます。
「クラス目標」は「言葉」ですので、そのままでは「どんなクラスにしたいのか」という子ども達一人一人の認識が、どうしても大きくズレてしまいます。
クラス目標をイメージして様々な活動をすることで、子ども同士の認識が共有でき、先生も子どもの願いや思いをより明確に捉えることができると思います。
活動の実際
もとにする曲を決める
冒頭でも述べましたが、今回は「替え歌」をつくるという設定で書いていきます。
基本的に「子どもが好きな曲」を「子どもに選んでもらう」ということでいいと思います。
ですが、子どもにはクラスの歌づくりの見通しをもってもらうために、
次のようなことを確認しておいた方がいいかもしれません。
・「複雑な曲」だと歌づくりは難しい
(歌詞の量が多いとか)
・「簡単で誰でもすぐに歌える曲」がいい
(つくった後はみんなで歌うので)
・「替え歌をしやすいメロディー」の曲がいい
(替え歌をつくるので)
・曲は全員で実際に聴いてみる
(聴かないとイメージがわかない)
といった感じでしょうか。
子どもは純粋に自分が好きな曲を選んでしまいますので、その後には「替え歌づくり」という活動があり、
「本当にできる?」ということを確認した方がいいと思います。
低学年なら「さんぽ」などはよく選ばれている気がします。
高学年はJ-popに挑戦してみても、意外とうまくつくれたりします。
いずれにせよ、歌づくりの見通しをもてたなら、あとは子どもの「やってみたい」という曲を選んでいけば間違いないと思います。
歌詞のフレーズを募集する
これは方法が実に様々です。
例えば、
曲が決まった後に全員から曲を募集すると、大変な量の歌詞候補が集まってしまいます。
ですから、ここでもどのように進めていくのか、ある程度子ども達と確認してから進めた方がいいです。
といった感じです。
集まった歌詞候補はフレーズごとに「短冊」に書いておくことがオススメです。
「グループごとにワンフレーズずつ歌詞をつくる」ことがオススメなのは、そうすることで
「自分の考えた歌詞が必ず入る」ことになるからです。
長い歌詞の曲であれば、一人ワンフレーズずつ考えてもらうのもいいと思います。
自分の考えた歌詞が入っていない「クラスの歌」を歌うのは、なんとなく気持ちがのらないかと思います。
「短冊」に書いて教室の背面黒板などに掲示しておくと、歌詞の移動や修正が楽です。
休み時間に子ども達が歌詞を移動させて、組み合わせを考えてくれることもあります。
様々なアイディアが生まれますので、子どもが自由に触れる場所に掲示しておく方がいいと思います。
学級会で「クラスの歌」をつくる
歌詞の候補がある程度決まったら、いよいよ学級会で「クラスの歌」をつくっていきます。
学級会で「話し合うこと」も、学級の実態によって様々な内容が考えられます。
歌づくりは楽しい活動ですが、
「どのように合意形成するか」という見通しを先生自身がもっていないと、かなり苦戦すると思います。「歌詞を考える視点」は、「クラス目標のイメージに合うもの」ということにしておけば、そんなに迷わないかと思います。
などなど、とにかく「話し合うこと」はかなり絞り込んでから学級会をしないと、何も決まらず、子どもも先生も苦しい思いをしてしまいます。
クラスの歌を掲示する
できあがった歌はさっそく教室に掲示します。
掲示するときも歌詞をワンフレーズずつグループでかいてもらう(もしくは一人ワンフレーズずつかく)ようにすると、掲示物も全員にとって「自分がつくったもの」となります。
この時も短冊を活用すると、全員で一斉に作業ができます。
そして後から貼り合わせると、歌詞の掲示物が完成します。
最後に…
「クラスの歌」もつくっただけで終わってしまっては、あまり意味がありません。
つくった後は「どのように使うか」を子ども達と決めた方がいいです。
朝の会で毎日歌うとか、学級の集会活動の時に歌うとか、誕生日の人がいた時にその人の名前を入れて歌うとか…きっと素敵な工夫がたくさん出てくるのではないでしょうか。
子ども一人一人が「私たちのクラスの歌だ」と、ワクワクしながら、愛着のあるうれしい気持ちになるといいなぁと思います。