学級経営

子どもから「信頼」される先生の技

「信頼される」ってどういうこと?

子どもから「信頼される」って、どういうことだと思いますか?いったいどういう状態のことを指すのでしょうか。

「先生が言うならやろう」「先生は間違えない」「先生のことが好き」「先生と仲良し」だとか…いろいろと思いつきますね。

私はどれも正解だと思います。

では、どうして子どもからそのように思われる先生になれたのでしょうか?

「子どものために一生懸命にがんばるから」「わかりやすい授業をするから」など、子どもによって、きっと理由は様々です。

「信頼される」とは、こういうこと

「信頼される」というのは、

子ども達一人一人が「先生は私のことを知ってくれている」「先生は私のことを知ろうとしてくれている」と感じている状態のことだとしておきます。

これは上越教育大学の赤坂真二先生の著書を参考にしています

赤坂先生は学級経営に関する著書を多く出版されており、個人的にとても尊敬している先生です(私が勝手に、ですが)。

もちろん私も含めて、

先生というのはどうしてもクラスで目立つ子や多くの支援を必要としている子に目がいきがちで、そこに多くの力を注いでしまいます

「一人一人に同じように関わるなんて無理だよ…」と思うのも、理解ができます。

「学級全体を見る」という目も当然大切です。

学級担任の抱える仕事は多岐にわたりますし、子ども達がある程度自主的に考えて動いてくれるようになるまでは、本当に大変なはずです。

ですが

「信頼される」ことで学級経営は確実にスムーズになりますし、何より先生のことを信頼している子ども達は、日頃から先生や仲間を助け、味方になってくれるようになります

それって先生も子どもも、幸せな状態ですよね。

【参考文献】
赤坂真二 (2016)『スペシャリスト直伝!成功する自治的集団を育てる学級づくりの極意』明治図書出版

「信頼される」ための技

ここで紹介するのは…

メモちら見作戦

学期のはじめ頃に、子ども達一人一人が「自己紹介」をする場面があるかと思います。

その時に

子ども達が話した内容を自分のノートなどにメモしておきます。

児童名簿などがあれば、そこに書き込んでおいてもいいです。

さらに

子ども達一人一人の「誕生日」や「日記に書いていた事」などもメモしておきます

そういった学校生活以外の情報を蓄積しておきます。

そして、これをいつ使うのか?

給食時間に使います。

給食時間は各グループを輪番で回り、子どもと一緒に食事をします

時間がなければ10分でいいです。

そして

今日一緒に食べるグループの子どもを確認し、その子達の情報が書かれたメモを「チラ見」しておきます

つまり、一緒に給食を食べる子どもの情報を記憶してから、そのグループの中に入るという事です。実際の給食時間の会話はこんな感じです。

子ども達は「自分のことを覚えてくれている」「自分のことを知ってくれている」と感じると、先生のことを信頼してくれます。

特に高学年ほど、そういう傾向があると思います

さらにここからは応用編です。

メモに蓄積した子どもの情報は、

授業の時間や休み時間でも活用できます

特に休み時間の何気ない会話の中で、

学校外での話題が出ると、子ども達はすごく喜びます

あくまで自然に、さりげなく話すことが大切だと思います。

ちなみに、

「日記で子どもから信頼される技」という記事もありますので、ぜひそちらも読んでみてください。

先生が子どもから「信頼」される方法は「日記」です なぜ日記で信頼されるの? 以前他の記事で、子どもから信頼されるには、「先生は私のことを知ろうとしている。私を見ている。私に関心...

終わりに…

『メモ★チラ見作戦』をしていると、なんとなく子ども達のことを騙しているかのように感じるかもしれませんが、そんなことは全然ないと思います。

この作戦を続けていくと、子ども達の好きなことや課外活動、学校外での様子などを、本当に覚えてしまいます

つまり

子どもの背景を知った上で教育活動を実践できるようになり、児童理解も深まります。

しかし最後に注意点もあります。

子どもに関する「重い」情報はメモしない
(もちろん誰にも言わない)

ということです。

家庭環境に関する事や知られたくない事、あまりにもプライベートな情報は、当然人前で話してはいけません

『メモ★チラ見作戦』で扱う情報はあくまで「軽めの」情報であり、

人前で言われても「子どもが嫌がらない」「むしろ言われてうれしい」ことが大前提です。

また

子どもによっては、自分のことを知られることに敏感な子もいます

そうした子どもの特徴をある程度つかんでから、徐々に実践していくと安心です。

心配であれば、

子どもと1対1で話す際に、ためしに話題にしてみるといいかな、と思います。